従業員エンゲージメントとは?わかりやすく解説

公開日:2019.07.08

NB_banner_02.png

近年多くの企業において、経営方針や戦略の中に「従業員エンゲージメント」というキーワードが多くなっています。

「うちの会社ではそんな項目は含まれていない」
「自社でも導入したいが、従業員エンゲージメントとは何かわからない」
「従業員エンゲージメントを導入することで、どんな効果や必要なことがあるのか知りたい」

このような疑問をお持ちの方へ、今回この記事にて「従業員エンゲージメント」について、わかりやすく事例も含めて解説していきます。

1.エンゲージメントとは?

はじめに「エンゲージメント」についてご説明します。

この言葉には「約束」や「婚約」といった意味が含まれており、今回の場合では、企業やブランド、さらには人やサービスに対して愛着や絆・思い入れを表す言葉として用いられています。

近年では、各企業とお客さま(カスタマー)との関係性や信頼度をはかる指標として「顧客エンゲージメント」という言葉が使われています。顧客エンゲージメントがお客さまにフォーカスする言葉であるのに対し、従業員エンゲージメントは、企業と従業員が尊重・信頼しあい、互いに貢献しあう概念や、両者における愛着心や帰属意識を指した言葉になります。

過去には「従業員満足度」という言葉が企業と従業員との関係性を示す上での、一つの指標として国内企業では用いられてきました。しかし、この指標はあくまでも「組織で働く上での居心地の良さ」にフォーカスしており、福利厚生や労働環境、人事制度などの人間関係に重きをおいています。そのため、「従業員満足度=企業の業績アップ」という相関関係は成立しておらず、これまでの指標では、どちらか一方の効果しか得られませんでした。

しかし、従業員エンゲージメントを導入することで、従業員の満足度だけでなく企業の業績の向上にも大きな影響を与えることが世界的コンサルティング会社の調査で判明しています。

現在労働人口の減少や、イノベーションの低下、働き方改革の多様化などにより、経営や戦略において喫緊の課題を多く持つ日本企業において、一義的な組織づくりだけでなく、欧米に追随するような社風・企業文化を創り出す経営手法の一つとして挙げられています。

2.従業員エンゲージメントをあげることによって得られる効果

d1425906122aff1e90b9fa29ba8fc74c_s.jpg

残念ながら、現状日本の企業に対する従業員の帰属意識は世界最低水準と言われており、世論調査や人材コンサルティングを手掛ける米・ギャラップが世界各国の企業を対象に実施した「従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)」調査によると、日本は「熱意あふれる社員」の数値が6%しかなく、米国の32%と比較すると大幅に低く、調査した139カ国中132位と先進国の中でも最下位クラスに位置付けされていることがわかっています。

そんな課題を抱える日本企業において従業員エンゲージメントは重要な役割を担っています。ここでは従業員エンゲージメントをあげることによって得られる効果について解説していきます。

○優秀な人材の流出を防ぐことができる

従業員エンゲージメントをあげることで、現在の組織に対する帰属意識や愛着心が高まり、結果として従業員間のコミュニケーションが向上、離職率の低下につながり、優秀な人材の流出を防ぐことができます。

各社従業員をつなぎとめる策として、待遇や金銭面にフォーカスしがちですが、それだけでは社員の帰属意識や愛社精神は醸成しません。そうではなく、組織と従業員との繋がりをより密にすることで、「ここで働きたい」という愛着心を高め、他社との差別化を図り、企業や組織の競争力を高めることが可能となります。

○従業員の士気を高め、業務におけるパフォーマンスを引き出すことができる

従業員エンゲージメントは、優秀な人材を留めるだけでなく、個々人の士気を高め、企業に対しての献身的な働きを促進させます。従業員一人ひとりのパフォーマンスを引き出すことができるため、組織全体の士気も高まり、結果として企業全体のパフォーマンスを高めることができます。

従業員エンゲージメントは、サービス・品質・安全性を高めるという研究結果も出ているほど、大切な要因に挙げられています。
そのため従業員一人ひとりの自発的な行動を促進させたい組織や、ゴールや目標達成を成し遂げたい企業にとっては有益な手段として挙げられます。

○企業の売り上げや利益が高い

これまで指標としてきた「従業員満足度」と最も異なる点として挙げられるのが、従業員の業務における貢献度やコミュニケーションが増すことによって、企業全体の売り上げや利益が高まる点にあります。

従業員エンゲージメントに関わる要素を一つずつクリアにしていくことで、従業員の自発的な行動を促すことにつながったり、企業の理念やビジョンが全体に浸透したり、建設的なチームビルディングが構築できたりと、あらゆる相乗効果を個々人および企業に及ぼします。

そのため、従業員エンゲージメントを単なる社員の満足度の向上として捉えるのでなく、結果的に企業や組織にも相乗効果を波及する結果を生み出すと捉えると良いでしょう。

NB_banner_02.png

3.従業員エンゲージメントが上がる企業イベント事例

3-1「ヌーベルグループ」

TOP.jpg

ヌーベルグループは、4社から構成される映像のプロフェッショナルカンパニーであり、番組制作やスタジオ技術、ポストプロダクションを通じて人気テレビ番組を支えている企業です。
ヌーベルグループは2017年に創業30年を迎え、熱海後楽園ホテルを貸し切りにした30周年記念イベントを開催されました。

グループ社員とその家族合わせて330名が参加され、様々なプログラムがおこなわれ、エンターテイメント性の強い旅行イベントとなりました。
また、ヌーベルグループでは、これまでの歴史を感じてもらうために、

・全員で30周年を盛大に祝うイベント
・移動中から様々な企画を用意し、みんなで楽しめる場と機会を作る
・旅行要素を取り入れた非日常型

と、各要素において細かな点まで配慮されたイベントづくりのもと取り組まれていました。

このイベントを開催することで、「みんなで30周年を祝う雰囲気づくりの醸成」や「想いやビジョンの共有」といった目標を達成するとともに、社員全員の記憶に残り、みんなで新たなステージに歩み出すための第一歩を作ることができたとの評価が挙がりました。

jireiBN_nouvelle.png

3-2.「株式会社ドミノ・ピザジャパン」

works-dominos-ph_06.png

1985年5月にドミノ・ピザ恵比寿1号店がオープンしてから25年経過し、日々頑張って支えている社員のために、労いと感謝の意味をこめてアニバーサリーパーティーが企画されました。「オアシス」というテーマが掲げられ、社員のことを考えたアイデアを具現化するためのイベント内容となりました。

会場はドミノカラーの青と赤で統一した会場装飾がされ、社員の顔で作成したモザイクアート、ピザボックスの展示や、これまでの歴史を記した宅配バイクやユニホームの展示など、これまでのドミノ・ピザの背景を知ってもらう試みや、各エリア対抗の応援合戦や全員でのテープカットなど、盛り上がりの高いイベントとなりました。

単なるイベント開催だけでなく、「この職場で働いて良かった」と思えるイベントになると同時に、これからのドミノピザを一緒に作っていこうという勢いが伝わるような、イベント開催の目的に沿うアニバーサリーパーティーであったとの評価を得ています。

jireiBN_domino.png

3-3.「株式会社柿安本店」

works-kakiyasu-ph_06.png

株式会社柿安本店では、年に1回「柿安本店料理コンテスト」を実施しています。
社員・パートの区別に関係なく、全国5,000名以上の従業員から、予選を勝ち抜いたファイナリストが決勝戦で「味」に対してのこだわりを競い合うイベントになります。

全員参加型の本イベントは、メンバー間での「味」へのこだわりが新しい商品開発の一助となるほか、参加者の成長意欲ややりがいを促すことにもつながり、双方にメリットが生じます。またこれは組織がこれまで140年もの間、お客さまに選ばれ続けるためのマインドが脈々と受け継がれた証明でもあり、これが現在イベントという形で引き継がれています。

イベントを開催することで、それぞれの日々の取り組みや感性が評価される場が与えられ、メンバーが日々成長をしつづけることができます。
社内イベントは、このように企業の目的に合わせてカスタマイズが可能で、会社・社員一体となったオンリーワンの空間を実現することができます。

またイベントを開催したことで、各従業員ごとの自由闊達なコミュニケーションや、さらなる成長が促進され、結果として社員のモチベーションや成長への期待や、参加者の満足度の向上、新商品の開発という本来の目的が達成できています。

jireiBN_kakiyasu.png

4.まとめ

今回は従業員エンゲージメントについて、用語に対する詳細な解説や、従業員満足度との違いをはじめ、従業員エンゲージメントを高めることによって得られる効果や、実際に向上させるための社内イベントの実例をあわせて解説しました。

現在国内企業の取り組みとしては、従業員満足度にフォーカスする企業は多数見受けられるものの、従業員エンゲージメントにまで派生させて考えている企業は未だに少数になります。しかし国内ではあらゆる経営項目にフォーカスするあまり資源が分散し、海外企業と比較してもまだまだ大きな差がある状態です。

この差を埋めるべく、注目を浴びる従業員エンゲージメントを高めることで、急速な発展を遂げる新興国や流動的に変化する世界情勢に並ぶことができ、当時に従業員の満足度の向上と業績アップの二兎を追うことができます。

siryou_banner_0.png

【参考文献】

「熱意ある社員」6%のみ 日本132位、米ギャラップ調査|日本経済新聞