あなたは理解していますか?《働き方改革関連法案》で重要な3つのポイント

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非正規雇用に対する労働賃金などの問題や、時間外労働に対する問題などニュースに取り上げられることの多い労働問題。多くの労働者・社会人から関心が寄せられており、日々議論が交わされている重要な問題です。

日々深刻化している労働問題に対して、政府は2018年6月29日参院本会議にて働き方改革関連法を可決・成立を決定しました。「働き方改革」とはどのようなものなのでしょうか。

働く私達にとってどのようなメリットがあるのか、どのような変化が起こっていくのか、改めてこの記事にて解説していきたいと思います。

目次

1.働き方改革関連法が可決・成立
2.「働き方改革」が目指すもの
3.働き方改革法案の3つのポイント
3-1.労働時間に関する制度の改革
3-2.高度プロフェッショナル制度の導入
3-3.同一労働同一賃金の制定
4.働き方改革関連法案の制定による罰則
5.まとめ






1.働き方改革関連法が可決・成立

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2018年6月29日、参院本会議にて、政府が議論を重ねていた「働き方改革」に関係する関連法案が可決・成立となりました。

労働基準法(労基法)は1947年に施行され71年間もの間改革されることなく施行されてきましたが、安倍晋三首相はこの労働基準法に対して「働き方改革関連法案」を最重要法案のひとつとして推し進めました。

しかし、働き方改革関連法には賛否両論があります。この改革によって働きやすくなる人がいる一方で、経営者・管理職にとっては今まで以上にシビアにならざるをえない可能性があります。






2.「働き方改革」が目指すもの

働き方改革が目指すものは大きく2点あります。

・多種多様な働き方を働く側が選択することのできる社会
・将来の展望に希望を抱くことができ働くことでそれを実現できる社会

昭和時代より始まった年功序列制度、生涯雇用制度といった雇用形態が崩れ、加えて少子高齢化による労働者の減少傾向があります。さらに、育児・介護の両立が社会的な問題になっています。働き方改革ではそれらの問題を法律の面から解決することを目指し立案されました

政府は現代社会に相応した働き方が柔軟にできるようになり、なおかつ就業機会の拡大、投資や生産性の向上などこれまでにはない自由な働き方を実現することを目指しています。






3.働き方改革法案の3つのポイント

これから施行となる「働き方改革法案」には、我々社会人が抑えておくべきポイントが3つあります。

1労働時間に関する制度の改革
2高度プロフェッショナル制度の導入
3同一労働同一賃金の制定

この3点は法案の軸となっています。それでは、これらの項目をより詳しく解説をしていきます。






3-1.労働時間に関する制度の改革

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「働き方改革関連法」では、労働時間に関して残業時間の上限規制、ある一定時間以上の労働に対する賃金上乗せ、監督指導の徹底、そして有給休暇の使用義務付けなどを行っています。

労働時間に関する上限規制はまず、1ヶ月の残業時間を45時間、1年間の残業時間を360時間と制定しています。この制定によると週5勤務の人が1日に行うことのできる残業時間は、1ヶ月単位では2.25時間、1年単位では1.5時間の計算となります。

また止む得ない事情によりこの法案以上の残業を行わなければならなくなった場合には、最大でも年に720時間、月単位で100時間未満、複数月平均は休日労働も含めて平均80時間までを限度としています。

さらに月60時間以上の残業となった場合には、50%以上の割増賃金を支払うことも義務付けられます。この割増賃金については、2033年4月まで中小企業に猶予措置がとられ、労働時間に関しては法案が正しく各企業で行われているか監督指導を厳しく行うことになっています。

有給休暇について、10日以上の年次休暇の権利を持つ労働者は、最低でも5日という日数の有給休暇を取得できるよう企業側が積極的に行うことが大企業では2019年4月から、中小企業はその翌年の2020年4月から適用することになりました。






3-2.高度プロフェッショナル制度の導入

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労働時間に関する制度を厳しく設ける一方で、この制度に該当しない専門性の高い職種に携わる人に対しては「高度プロフェッショナル制度」が制定・適応されます。

この制度は、大企業・中小企業と企業規模を問わず年収1,075万円以上、かつ研究職やコンサルタント業など高度なスキルを持つ職業の人が対象となります。

対象者は時間外勤務や深夜勤務、休日勤務等が発生した場合でも割り増し賃金は発生しません。勤務時間や有給休暇が約束される一般の労働者とは違い、法改正に伴い過酷な労働が強いられるのではないかと高度プロフェッショナル制度に該当する人たちの間で懸念されています。一方で、勤務時間に関してはフレックスに時間を選んで働くことを企業側から認められるようになると言われています。






3-3.同一労働同一賃金の制定

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正規雇用労働者と非正規雇用労働者の待遇面の格差を是正することを目的に施行されます。

同一労働同一賃金は、これまで非正規雇用労働者(有期雇用労働者、派遣労働者、パートタイム労働者)が、正規雇用ではないために、仕事の能力に対して正当な評価を受けられなかったこと。また、仕事内容や勤務時間など正規雇用労働者と同じにも関わらず満足な福利厚生を受けることができなかったことに対して、不均等な待遇格差を解消するために制定されました。

この法案を施行するにあたり、事業主に対して「働き方改革推進センター」で行われる無料支援相談や、非正規雇用労働者を積極的に正社員化していきたい企業に対する「キャリアアップ助成金」の支給といった支援が行われ、より快適な労働環境を促します。






4.働き方改革関連法案の制定による罰則

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働き方改革関連法が可決・成立となり、2019年より施行となりますが、これまでも柔軟な働き方ができる環境整備や病気の治療と仕事の両立、介護や育児と仕事の両立支援などに積極的に取り組んでいた企業は多く存在しています。

ではなぜ「働き方改革関連法」という法改正が行われることのなったのでしょうか。

その一番の理由は、政府が法律として定めることで、今まで企業単位の判断で行われていた時間外労働や有給休暇に関する整備、正規雇用労働者と非正規雇用労働者の格差に関する取り組みに対して、法という揺るぎないルールで一層事細かに監督・指導することができるようになるからです。これにより、違反している企業・事業主に対しては罰則を与えることができます。






5.まとめ

働き方改革法案は、これまで社会問題となっていた正規雇用労働者と非正規雇用労働者との格差や労働環境、時間外労働や有給休暇に関するものを働く側の人たちが意欲的に、なおかつ生産性を上げことができるようにと整備されました。

労働者不足という不可避な課題を持つ日本社会にとって、この度の「働き方改革関連法案」は重要です。組織に属するわれわれ個人は「働き方改革」とは何なのか?「働き方改革」を通して何を目指すのかを改めて考えていかなくてはなりません。本記事がその考えの一助になれば幸いです。

参考文献

厚生労働省:「働き方改革」の実現に向けて
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html