成果にコミットするチームを作るチームビルディングのプロセス

ビジネスサプリ

働き方改革の影響で、生産性が非常にシビアに見られ、小さな組織から大きな組織まで、チームの一体感、チームビルディングの重要性が叫ばれています。

チームビルディングはリーダーだけでなく、メンバーにも重要なプロセスです。今回はそのチームビルディングの概要から、組織力を高めるトレーニングと、その効果を網羅的にご紹介します。
 

目次

1. チームビルディングとは
2. チームビルディングの方法(ゲーム、アクティビティ)
3. チームビルディングの目的
4. なぜ今チームビルディングが必要とされているのか
5. チームビルディングの実施企業の事例
6. まとめ






1.チームビルディングとは 

チームビルディングとは「目的達成のために、メンバーが一丸となって行動しかつ個々の能力を発揮できる組織づくり」のことであり、また、その手法や研修そのものをさします。

経営層や管理職などのチームを作る立場の方はもちろん、「まだ自分はチームを率いていないから関係ない」という方にも以下の点で役立ちます。

・“マネジメントされる側”として“する側”の目的や意図を理解し最適な行動をすることができるようになる

・一時的なプロジェクト単位でのチーム形成に活かす

・家族や友人の仕事以外のプライベートでも人間関係が円滑になる

チームとグループの違い
チームビルディングを説明する際によく論じられるのが「チームとグループの違い」です。その一つの考察をご紹介します。

チームもグループも“人の集まり”という意味では同義ですが、チームビルディングの定義として上記したようにチームには3つの要素が含まれます。

チームの3つの要素とは以下の3点です。

① メンバーに共通の達成すべき目的(ゴール)がある
② 皆の力を合わせて、支援しあい行動する
③ メンバーが多様性を持ち、それぞれが能力を発揮する

ビジネスシーンでの“人の集まり”は当然チームであることが求められます。だからこそチームを作るための方法論を知っておくことが重要です。






2.チームビルディングの方法(ゲーム、アクティビティ) 

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チームビルディングのためにすべきことは大きく分けて2つあります。

体験の共有
チーム内の基本的な関係として「コミュニケーションが円滑である(メンバーがお互いを理解したうえで言いたいことが言える)」必要があります。そのための取り組みが「体験の共有」です。具体的には親睦会や飲み会、レクリエーションなどをすることで共通体験を作りコミュニケーションを活性化します。

継続的な組織づくり
どのようなこともそうですが、チーム作りもまた継続することでより効果を発揮します。「日々の活動を確認する定期的なミーティング」「目標やビジョンな見直すオフサイトミーティング」「合宿」などを計画的に行い継続的な組織づくりを目指しましょう。

チーム作りに役立つゲーム、アクティビティ

チームビルディングの研修では楽しみながらゴールへのプロセスを体感してもらうために“ゲーム”が用いられることもあります。ここではその中からゲームの例を2つご紹介します。

「謎解きゲーム」
このゲームはチームワークを良くすることに役立ちます。
有名なゲームなのでご存知の方も多いと思いますが、ゲームの進め方は課題となる「謎」に対してヒントを探しながら解き明かしていくというものです。

ゲームでトレーニングされる要素
・チーム内での役割分担
・自分の考え、アイデアを積極的に伝えることの大事さ
・意見を言いやすい、また、ちゃんと聞くチームの雰囲気づくり

「NASAゲーム」
このゲームではチームで合意形成するという過程を体験することができます。
ゲームの内容は月に不時着した飛行士(のチーム)という設定で320キロ離れた母船に戻るために15個のアイテムの優先度をつけるというものです。またNASAの公式回答があることもこのゲームの魅力の一つです。

ゲームの流れとしては、まずは個人で考え、次にメンバー全員の意見をまとめてチームとしての回答とします。そしてその回答がNASAの正解にどれくらい近づいたか答え合わせをするという風に進行します。

ゲームでトレーニングされる要素
・自分の考えること。そのアイデア、またそこに至った理由を伝えること
・合意形成の難しさ、合意形成までのプロセスを体験
・チームで考えることによって最適解に近づくという体験をすること

以上のようなゲームはとっつきやすいものですが、チームビルディングの一環として取り組むのであれば「ゲームが面白かった」という感想になってはいけません。

事前にどういったことを学んで欲しいのかを具体的に伝え、終了後にはその観点からどう感じたのか振り返りを行うことが重要でしょう。
次の項ではチームビルディングの目的についてご説明します。






3.チームビルディングの目的 

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チームビルディングの大きな目的は「チームを作ること」になりますが、その過程で行う研修などの活動によって新入社員から経営層までのレイヤーごとに、または組織・部門などの対象ごとに効果を期待されます。ここではチームビルディングのターゲット別の課題と目的をご紹介します。

ビジネスレイヤー別の目的


○内定者・新入社員への効果
・ メンバー同士が互いに強み弱みを理解し、相互支援しあえる関係を作る
・ 会社員としてチームに参加するあり方の基本的な姿勢を身につける
・ プロジェクトの成功を目指し主体的に行動できる人材への成長

○中堅社員、リーダー(主任、係長)層への効果
・ マネージャーの意図を理解し現場を指揮するチームの基盤となる意識を持つこと
・ 組織を良くするための改革ができる人材の発掘

○管理職(マネージャー)層への効果
・ リーダー育成スキルの獲得
・ 部課などのセクションを超えて目標達成を目指す組織づくり

○経営幹部層への効果
・ ビジョンの作成また経営層への浸透
・ 主体的に考え、行動するようになることでリーダーシップを高める
組織全体、部門全体としての目的
続いてチームビルディングの組織単位での目的を効果別に2つご紹介します。

○コミュニケーションしやすい雰囲気づくり、判断基準・価値観の浸透
メンバーそれぞれが能力を発揮するためにはコミュニケーションのしやすい組織であることが必要です。また、例えば組織が閉塞化しイノベーションを求めているのであればその価値観や判断基準を浸透させることで革新の起きやすい組織を目指すことができます。

○ビジョンの共有
組織がインディビジュアリズムやセクショナリズムを超えて目的のために一丸となるためには「ビジョン(あるべき姿)」をメンバー全員が共有することが必要になります。チームビルディングにおけるゴールへの意識づけは組織のビジョンの共有にも効果が期待されます。






4.なぜ今チームビルディングが必要とされているのか 


「働き方改革関連法」によって企業は業務の効率化に取り組まなければならなくなりました。
そこで、従来の成果主義、目標管理による「個の力」を高めることに加えて「集団=チームの力」、つまり組織力を高める経営が求められています。

組織力についてもう少しイメージしやすくしてみましょう。

例:「個の生み出す価値×人員数=組織力」とする。
前提:個の生み出す価値が平均的に50×10名の組織(組織力合計:500)
・一人の100の価値を生み出す人材を育てられる(組織力合計:550)
・全員を60に引き上げられる(組織力:600)

もちろん実際にはこのように単純ではありませんが、後者の方が組織にとって有益であることは明白です。

さらに大企業の実質的な経営破綻も多く不確実性の高い経営環境下においては「継続的なイノベーション」が必要となります。そのためには従来のトップダウン型の組織から、現場主導でイノベーションの提案が上がってくるようなボトムアップ型の組織への変革が求められています。

以上のように「業務効率化の観点でチームの力を高める」「現場からイノベーションの提案が上がるような組織を作る」ためにチームビルディングへの取り組みが必要なのです。






5.チームビルディングの実施企業の事例 

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実際にチームビルディングに取り組んだ企業様の事例をご紹介します。
「Facebook」、「Airbnb」、「Pixar」、「Google」で実際に取り組まれているアクティビティをご紹介します。

Facebook:インドアゴルフ

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ゴルフはチームという視点で見ると“パーティーが全員でゴールを目指すゲーム”という側面があります。Facebookなどの企業では、手ぶらでもできることで気軽にプレイできるようになった「インドアゴルフ」をチームビルディングに取り入れています。


Airbnb:Boda Borg

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Airbnb等が取り入れているのは「Boda Borg」です。これは日本でもテレビ番組になって流行りましたが、3〜5人が1つのグループとなり、建物内の各部屋にある「クエスト」というアスレチックのようなゲームをクリアしながらゴールを目指すというものです。


Google:セーリング

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Googleをはじめ多くの企業が「セーリング」をチームビルディングのためのアクティビティとして取り入れています。
メンバーが明確に役割分担をして、それぞれの役割を果たすことで目的地につくというセーリングはコミュニケーション力や問題解決力を高めるものとして人気があります。


PIXER:ゴーカート

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一人乗りのゴーカートをどうチームビルディングに使うのか?そう思われた方も多いでしょう。PIXERではカーズというアニメーションを製作する際に車を知ることとチームビルディングを目的としてゴーカートをしました。
2〜6人チームごとに合計タイムを競うというゲームでチームワークを養ったそうです。

上記の企業はユニークなオフィスで有名な企業でもあります。オフィスと同様にアクティビティも企業文化を作っていく一環として取り組んでいるようです。「飲みニケーション」以外のアクティビティをお考えであれば参考にしてみてはいかがでしょうか。

※1






6.まとめ

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チームビルディングの目指す「目標に向かって一丸となって活動する集団」とは、企業が有志で集った複数人の集合体である以上、当たり前のことかもしれません。しかし、どんな企業にとっても組織の規模が大きく歴史が長くなれば、本来目指すべき目標やベクトルにズレが生じてしまいます。

組織の強さを保ち続け、メンバーの能力を最大限引き出して、次の成長の原動力とするための手法の一つが「チームビルディング」です。業務効率化と生産性の向上が注目される今だからこそ「チームビルディング」に取り組む価値があるのではないでしょうか。

参考文献

※1出典:Google、Facebook、Airbnbはどのようにしてチームビルディングを行っているのか?|ビートラックス (btrax)
https://blog.btrax.com/jp/team-building/