人事がアウトソーシングできるってどういうこと?徹底解説

アウトソーシング

業務のアウトソーシングが注目を集めています。日本経済新聞の2018年11月2日の日経会社情報によると、アウトソーシング事業の代表格ともいえる株式会社アウトソーシングの2018年1~9月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比32.1%増の41億円となりました。また、売上収益は前年同期比33.6%増の2210億円、営業利益は前年同期比38.5%増の92億円となったそうです。

このように業務のアウトソーシングのニーズは高まっています。これは、後述するようにコストの削減や業務の効率化と品質向上、そして組織のスリム化と強化などが期待できるからです。

しかし、アウトソーシングといえば製造請負や専門的な技術系のことを思い浮かべませんか?でも、最近では、人事のアウトソーシングも盛んです。ここでは、人事のアウトソーシングについて、その現状や知識、業務分担領域の把握などについてご紹介します。

目次

1. アウトソーシングとは?

2.人事のアウトソーシングの業務内容

3.人事アウトソーシングがもたらす会社の未来とは?

4.まとめ






1. アウトソーシングとは?

アウトソーシングとは、簡単に言えば企業が自社の社内業務を外部の業者に委託することです。ITや情報システム、法律関係などの専門性の高い業務を外部の業者に任せる事例が多くみられます。

そして、最近では、業務をプロセスごと任せてしまうビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)と呼ばれるシステムやIT関連業務に特化したITアウトソーシングなどが中心となり、高度化や専門化が進んでいるのが現状です。

その始まりはアメリカでした。1960年代のアメリカのITサービス企業Electronic Data Systems社(EDS社)が情報システム分野でアウトソーシングを導入したのが最初だと言われています。

かつて、日本では、生産関連分野、カスタマーセンターやコールセンターでの業務、財務・経理関係での導入が中心となっていました。そしかし、1990代以降に地方自治体や民間企業が事務作業や配送業務といった業務以外の新たな業務の発注が増えてきています。

アウトソーシングのメリットは?


アウトソーシングを日本企業が導入する場合は以下の3つのメリットがあります。
・コストの削減
・業務の効率化と品質向上
・組織のスリム化と強化


人材派遣サービスとなにが違うの?

また、アウトソーシングとよく似たものに人材派遣サービスがありますが、人材派遣とアウトソーシングは似て非なるものです。人材派遣は業務遂行の手伝いをしてもらう手段です。それに対し、アウトソーシングは、業務そのものを切りだして依頼するという形です。

アウトソーシングされている業務としては、人材採用や研修など人事・法務・会計・情報システム関連、事務や受付業務、店舗業務、システム運用などIT関連業務、コールセンター、カスタマーセンターなどの顧客対応業務などがあります。






2.人事のアウトソーシングの業務内容

人事部門は、人事という仕事の性質上、法律に準拠する作業がさまざまあり、煩雑な定型業務が数多く存在します。しかし、人事部の本来の役目とは何でしょうか?それは、人事戦略を立案・実行することなのではないでしょうか。そして、これらの業務をアウトソーシングすることが人事のアウトソーシングと考えていいでしょう。

具体的な業務内容としては、給与計算、人事制度策定、人事管理、人事情報システム構築、出向者管理請負、社会保険関連業務代行などがあります。以下でそれぞれの業務を説明していきます

給与計算

給与計算は、従業員ごとの給料から控除額、手取り額を計算し、支払をする業務です。基本給の算出、総支給額の算出、税金や社会保険料の金額を計算し、そこから差し引いた額を支払う業務です。


人事制度策定

人事制度策定とは、経営管理システムのひとつです。それぞれの人材の業績やスキルに連動した人件費の策定や社の仕事の成果に応じた人事評価を行います。


人事管理

人事管理とは、人材の採用から解雇にまで一連の業務を担当します。たとえば、企業が求めている者に対して最も適した人材を採用し、最適な部署に配置します。そして、教育訓練や賃金の策定や昇給、さらには、労働時間の管理なども行います。






人事情報システム構築

人事情報システム構築とは、人事・総務の業務プロセスを最適化するシステムを構築することです。それぞれの人材のデータを収集し、人事・総務の業務プロセスをスムーズに行うためのシステムを構築する業務です。

出向者管理請負

出向者管理請負とは、出向者の時間管理や残業代などの管理業務を請け負うことです。出向者には、就業規則の適応がその規則ごとに、出向元と出向先それぞれに異なるという複雑な就業形態になるために、その管理も行わなければなりません。

社会保険関連業務代行

社会保険関連業務代行とは、社員の社会保険・労働保険の手続き業務を代行することです。これらは、いまだに書類での作業で手間がかかることが多く、アウトソーシングや早急なITが求められています。

以上がアウトソーシングできる人事業務の具体的な内容です。

3.人事アウトソーシングがもたらす会社の未来とは?

さて、これまででだいたいアウトソーシングの概要がつかめたと思います。では、人事をアウトソーシングすることによって、企業にはどのようなメリットがあり、また、未来を築いていけるのでしょうか。ここでは、アウトソーシング導入のメリットを人事、そして給与計算の面からみていきます。

コストが大幅に削減できる

さきほどアウトソーシングのメリットとして、コストの削減、業務の効率化と品質向上、組織のスリム化と強化の3つを挙げました。まず、コストの削減から見ていきましょう。これは、人件費や給与計算などの管理システムをアウトソーシングにすることが、コスト削減につながります。そして、アウトソーシングする際には既存の業務の流れを再確認します。その時に、無駄な業務も削減でき、これも結果的にコスト削減につながるのです。

また、給与計算は非常にコストのかかる業務でもあります。なぜかというと、たとえば年末調整などの時期などは、長時間の残業が発生し、事件費の高騰につながります。かといって、暇な時期もありますが、その時にも通常の人件費を支払らう必要があるからです。

業務の効率化と品質向上が可能に

人事は、労働関連法令や社会保険制度などが毎年のように改正されるため、社内規程の変更や業務フローの改定などの煩雑な業務が常に求められます。

また社員教育・研修などについても、専門家やコンサルタントなどを雇うなどのコストがかかり、手間のかかる業務を行わなければなりません。こうした専門性の高い分野をアウトソーシングすることで効率化でき、外部のノウハウをうまく活かし、その質も向上するのです。

組織のスリム化と強化ができる

こちらは主に給与のアウトソーシングによってのメリットとなりますが、給与のアウトソーシングや代行でその企業の残業が全体として減る可能性がでてくるのです。そして、それが組織のスリム化と強化につながります。

たとえば、アウトソーシングするとなると、必然的に残業時間をきちんと管理することが必要になってきます。すると、自己管理がいい加減な社員はそれを正す必要がでてきて、不要な残業代などの削減につながります。そして、管理職は、そのような身の丈に合っていない給与を払っている社員の存在に気が付くというわけです。

そうすると、その社員も上司も業務の効率化に真剣に取り組むようになり、結果的に組織のスリム化と強化につながるというわけです。

現在、「働き方改革」が進められ、これまでとは異なる効率的で自由な働き方が企業には求められています。人事をアウトソーシングすることで、このような新しい働き方を取り入れる一助となることは間違いありません。






4.まとめ

以上、人事のアウトソーシングについて説明してきました。人事のアウトソーシングには、これだけのことができ、そして、コスト面だけではなく、業務の効率化や質の向上にも多大なメリットがあることがわかりました。

前述したように、「働き方改革」やミレニアル世代の台頭によって、企業は特に人事確保の面で、岐路に立たされていると言っていいでしょう。

なぜなら、企業が生き残っていくためには有能な「人材」が必要だからです。こうした面から言うと人事制度は、企業成長のための「戦略」のひとつといえます。アウトソーシングはその戦略を実践するための重要な手段のひとつなのです。

もちろん、アウトソーシングには「自社のノウハウが培われなくなる」、「個人情報の不正使用の不安」、「逆にコストがかかりすぎる」といったデメリットもあります。そのメリットとデメリットをきちんと見極め、自社にとって最適なアウトソーシングで企業の未来を切り開いていきましょう。

参考サイト

アウトソーシングの18年1~9月期、純利益32.1%増41億円 

今知るべき!アウトソーシングのメリットをまとめてみた。

経営戦略として「アウトソーシング」をどう有効活用していくか

人事業務のアウトソーシング、メリット・デメリットは?

給与計算のアウトソーシング・代行のメリットとデメリット「成長企業は必読!」

給与計算のアウトソーシングのメリット・デメリット。代行させた方がいい・しなくてもいいケースは?