働き方改革に流されるな!着実に生産性を上げるコツ

ビジネスサプリ

今日、働き方改革と称して企業では様々な取り組みがなされていますが、自分の目の前の業務の生産性は上がっていると自信を持って言えますか?

一見地味かもしれませんが、着実にあなたの業務の生産性向上に繋がる業務改善のコツをご紹介します。

業務の棚卸しで、現状を把握しよう

68_(2).jpgまずは自分の仕事の状況を把握することが何よりも大切です。あなた、もしくはあなたのチームが日々行っている業務を、1つ1つ棚卸ししていきましょう。

 的確な改善案を出すためには、事前に今抱えている業務を整理した上で課題を洗い出すことが必要になってきます。現状の理解が浅いまま思いつきで改善案を挙げたところで、実態に即していないため良い結果を得ることはできないでしょう。

 例えば、普段現場にいなかった上司が業務改善をするべく突然現場に現れ、状況を把握しないまま自己流の改善案を部下に強いると大抵失敗するのはこのためです。

 棚卸しの具体的な方法としては、できる限り細かく自分が持っている業務を書き出し、可視化します。書き出し方自体に特に決まりはありませんが、Excelで業務一覧表を作成するのが一般的です。大小のカテゴリを作り、さらに固定業務・変動業務に分類するとまとめやすいでしょう。

 棚卸しから生産性向上に繋げている具体例として、サイバーエージェント社での「全社棚卸会議」が挙げられます。2016年から年に2回開催されているこの会議は、部署毎に上司も部下も全員参加型の大きなイベントで、サイバーエージェント社の仕事のパフォーマンス、つまり生産性を上げるために一役買っているようです。

 このように、業務の棚卸しは定期的に、そして全社的に取り組むことで、より一層高い効果を得られるのです。

コツコツ記録が後々役立つ

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業務の棚卸しができたら、それぞれの業務にかけている時間を把握しましょう。

 正直、これは少し面倒だと感じる方が多いと思います。しかし、このときの記録は時間を取られている業務の割り出しになるだけでなく、改善に取り組んだ後の効果測定にも役立ってきます。面倒がらず、是非試してみてください。

 期間としては約1週間〜1ヶ月程、各業務の時間を計測して記録してください。

ここで注意していただきたいのは、計測する期間の長さです。短過ぎると正確性が落ち、長過ぎると記録することがストレスになってしまいます。

 ちなみに、日々の記録を怠り、週末にまとめて適当に時間を記録するなんてもってのほかです。必ず1日の業務終了のタイミングで記録を行い、少しでも正確な数字を出すように心掛けましょう。

後でまとめて記録しようとすると、作業内容や時間をいちいち思い出す時間が余計にかかります。一方、毎日記録すれば思い出す手間が省けるので、結果的に短時間で済ませることができるのです。

課題を共有し、第三者の意見を活用しよう

68_(4).jpg改善案を考えるための素材が揃ったら、チーム内(部署内)でそれぞれの現状と課題の共有をします。その際に、必ず第三者からあなたの業務状況に対して意見をもらうようにしてください。

「この業務、そもそも何のためにやっているの?」「優先度低い業務にしては、時間かけ過ぎなんじゃないかな?」

 あなたがExcelの表とにらめっこしていても気づくことができなかった意見をもらうことができるでしょう。

 ポイントは、できるだけ自分とは異なる業務に携わっている人から意見をもらうということです。異なる業務をしている人だからこそ、違った視点の意見を引き出すことができます。

いざ、改善〜ECRSの原則〜

68_(5).jpgどのように改善しようか考えるときに役立つ考え方に、「ECRSの原則」というものがあります。これは、主に生産管理の現場で実際に使われてきた業務改善の考え方です。手当たり次第にアイディアをひねり出すのではなく、フレームワークを頭に入れて考えることで的確な改善方法を導き出すことができます。以下で、ECRSを1つずつ見てみましょう。

Eliminate(排除)

まずは、対象の業務をなくすことができないか検討します。

そもそもどういった目的で、誰のためにやっている業務なのか、原点に帰って考えてみてください。前任者から引き継いで対応していたものの、よく考えたら現状に即しておらず、あまり意味のない業務だった、ということはよくあります。 

Combine(結合)

第2に、複数業務をまとめて処理することで時間短縮できないか検討します。

これまで1つ1つ対応していた業務を見比べたときに、似ている業務があればそれらをまとめてしまうことで、手間とコストの削減に繋がります。

Rearrange(入れ替え)

第3に、入れ替えによって作業を効率化できないか検討します。

入れ替えと言っても、これは単なる業務の作業順序の変更に留まりません。作業場所の変更や、作業担当者の変更なども含みます。

例えば、チームメンバーの得意不得意を見極めて最適な人材配置を行うことで、大きく作業効率が改善することがあります。

担当者を変更する場合に注意すべきことは、担当者にとってあくまでポジティブな理由で変更するということです。「あなたはこうゆうことが得意なようだから、ぜひこの業務を担当してほしい」と伝えることで、本人のモチベーションアップにも繋げることができます。

 Simplify(単純化)

最後に、業務を単純化できないか検討します。

長年行っている業務は、不用意に複雑になりがちです。原点に立ち返り、その業務の目的を明確にして1からプロセスを見直します。この作業は他の3つの考え方に比べると時間もかかるため、最後の手段として使うことをおすすめします。

上司や他部署の人達を巻き込もう

68_(6).jpg業務をなくしたり、既存のプロセスに変更を加えたりするとき、正直あなたの力だけで実行に移すことは難しいのが現実です。あらゆる業務には大勢の関係者が存在します。企業の中で行う仕事である以上、自分ひとりで完結する業務はほとんどないのではないでしょうか。

 だからこそ、改善を行うときは決定権のある上司はもちろんのこと、必要ならば他部署の人も巻き込んでしまいましょう。改善策を掲示し、その改善策によって相手の業務、ひいては会社全体に利益をもたらすということを証明できればしめたものです。

改善したら終わり、ではもったいない

68_(7).jpg改善に取り組み始めたら、その改善策によってどれ程効果が得られたかを測定します。「何となく改善されたかもしれない」で終わらせてしまうのはもったいないです。

 測定には人の感覚値ではなく、できるだけ具体的な数値を用いましょう。そうすることで、効果があったかなかったか、あったのであればどれくらいの効果がだったのか把握することができます。

 測定した結果、改善が見られないようであれば「ECRSの原則」に戻り、改善策を練り直しましょう。この測定は、PDCA(Plan Do Check Act)でいうCheckに当たります。一連の業務改善の流れをPDCAサイクルに落とし込むことで、やっと改善の効果は表れます。

もし改善が見られたら、協力してくれた人達へ効果の報告と、感謝を伝えるのも忘れずにしましょう。

まとめ

 仕事は日々、変化します。そのときの人員、会社の状況、必要な成果に合わせて最適な業務への取り組み方があります。1度の改善で満足せず、定期的に業務の棚卸しを行うことであなたの生産性は上がり、その積み重ねが会社全体の生産性向上となるのです。

参考資料

改善マニュアルNo.3 計画的な業務割当による人時生産性向上 /株式会社日本能率協会コンサルティング

業務棚卸から始まる業務改善と生産性の向上とは/ビジネスプロセス改革推進室

業務改善とは具体的に何を指すのか? 目的と手順について解説/free

なぜ仕事が終わらないのか?生産性をあげる究極のコツ/ DIAMOND online

新たな生産性向上への一手 パフォーマンスを上げる業務改善の取り組み「全社棚卸会議」/CyberAgent

ECRS(改善の4原則)/株式会社 日本能率協会コンサルティング

PDCAとは〜改善の王道パターンを徹底解説/ferret