業務改善に悩むマネジメント層が聞くべき3つの質問

組織マネジメント

「あ、ちょっといいかな。君、業務改善の提案ある?」

このような質問を、いきなり部下に投げかけても、良い意見やフィードバックを得る事は難しいでしょう。良い意見を引き出すには良い質問をすることが重要です。

部下に良い質問をすれば、これまで上司が分からなかった事や、気付かなかった問題を発見することが出来ます。マネジメント層は、業務改善につながる「社員の声」を引き出すための「良い質問」をしなければなりません。

業務改善の第一歩は「良い質問」を投げかけること

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政府主導の「働き方改革」の影響もあり、業務改善に取り組む組織は多いかもしれません。

業務改善成功のためには社員に「良い質問」を投げかけるべきです。なぜなら、改善すべき問題を「見える化」する必要があるからです。そして、改善課題を顕在化するには、質や精度の高い「社員の声」を集めるしかありません。そのために、より良い質問をしましょう。

業務改善に取り組むべき企業にとって、社員に良い質問をすることの重要性が分かったところで、アメリカの社内コミュニケーション専門会社KnowYourCompany社が15カ国300社で調査した結果を参考にした「すべての社員に投げかけるべき3つの質問」をご紹介致します。

「職場での上司や同僚との距離感は、ちょうどいい?」

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この質問で、あなたの会社が情報伝達やコミュニケーションが取りやすい組織であるかどうか?が解ります。

組織の成長はコミュニケーションの齟齬を招く場合があります。廊下ですれ違う社員同士はお互いを認識しあっていますか?経営ボードと社員は気軽に話したり相談出来ているでしょうか?特に、最近入ったばかりの社員にこの質問してみると、組織の色に染まっていない新鮮な意見がもらえるかもしれません。

もし「距離が遠い」、または具体的な回答をもらえなかった場合は、社内コミュニケーションを活性化させる施策が必要です。ランチ会を開いたり、共同スペース、フリーアドレス制など、社員が交流しやすい場を提供してみてはいかがでしょうか?

社内に円滑なコミュニケーションが生まれることにより業務効率が向上する可能性もあります。交流がなかった部署間にコミュニケーションが生まれることによって、互いの業務でシナジーのある部分を発見し業務が改善していくかもしれません。

社内のコミュニケーション活性化のためのユニークな事例をご紹介します。

全員が社長になる?社員全員参加の「ぜんいん社長合宿」

ー面白法人カヤック様

3ヶ月に一度「緊急でないが重要な事」について全社員が考える合宿 

ー株式会社アカツキ様

海外の有名企業のチームビルディングイベント

ーヨットセーリングgoogle社様 

ーゴーカート Pixar社様 

ーVRゲーム Airbnb社様

「誰かに否定されるのが怖くて、意見を言えなかった時がある?」

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この質問で、あなたの職場で業務改善に繋がる活発な議論ができているのかが解ります。

業務改善に繋がる革新的なアイデアは多様な意見の中から生まれます。あなたの職場でも、組織の大多数が賛成する案でも、その意見に対する根拠のある反対意見が出て来るような環境があることが活発な議論の下地になります。誰もが気兼ねなく提案ができる環境を作る必要があります。

「自分の意見を言えなかった時がある」という答えが出た場合、多様な意見を創出する環境を作り出すために「心理的安定性」を構築する必要があります。

「心理的安定性」とは、組織に在籍する一人ひとりがその組織に対して、臆することなく発言できたり、ありのままの自分を安心してさらけ出せる、と感じられる場の状態や雰囲気の事です。2017年グーグル社が、この「心理的安定性」を組織内に醸成することが生産性向上のキーファクターであると公表し、注目を集めました。

この「心理的安定性」を構築する施策として、「組織のリーダー自身が、現在持っている自分の知識の限界を認めて、自分もよく間違うことを積極的に示し、失敗は学習する機会であることを強調すること」が重要であることが、ハーヴァード大学のビジネススクールで8週間にわたって開講された「一般管理プログラム(general management program)」の修了生225人(春期100人、秋期125人)を対象にした調査結果(Garvin, Edmondson, & Gino, 2008)から判りました。

「誰かが、あなたに会社のビジョンについて聞いてきたら、どう説明する?」

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この質問で会社のビジョンが浸透しているかが解ります。

会社と個人がビジョンを共有することで、社員に強い動機づけを与えることができ、組織の結束力が高まります。ビジョンが会社全体で共有されていない場合、従業員には給与以上の良い働きをすることはないでしょう。

もし社員が、この質問にうまく答えられなかった場合には、社内にビジョンを浸透させなければなりません。ビジョンを職場に貼り出したり、ハンドブックにまとめて配布することも有効かもしれません。

しかし、それだけでは不十分です。ビジョンを実務レベルに落とし込み、人事制度や研修、個別の目標、商品開発など、会社の全ての活動リンクさせなければなりません。

さらに、ビジョンを打ち出した後に、定期的にアンケートを活用して社員への浸透度を調査する機会を設けるべきです。アンケートによる評価は数値化し、他社データと比較することが可能になります。数値が参考データよりも低かった場合、制度の見直しや、フィードバック方法の変更、イベントや社内行事での認知活動の拡充などにより、これらの数値を改善していきます。

ビジョンを組織に浸透させ成功している企業として有名なのが株式会社オリエンタルランド様です。東北大震災の時、10代から20代を中心としたアルバイトスタッフたちが、震災に戸惑う来場者を落ち着いて対応しました。

アルバイト社員ではあっても「幸せを提供する」という組織のビジョンを共有していため、食品を無料で配布するといったマニュアルには書かれていない判断や行動をして、世間に感動を与え、企業評価が高まりました。ビジョンが浸透した組織の好例と言えるでしょう。

まとめ

今回ご紹介した「3つの質問」があなたの会社の「カイゼン」の一助になれば幸いです。


参考文献

The four questions to ask every single employee for feedback (knowyourcompany)

社内のコミュニケーション活性化は最重要!取り入れやすいアイディア教えます(あしたのオフィス)

250人全員参加の「社長合宿」で事前に伝える6つのこと(日経ビジネスONLINE)

「アカツキらしさ」について向き合い、「自分らしさ」を爆発させる。アカツキの冬合宿(株式会社アカツキ様HP)

Google、Facebook、Airbnbはどのようにしてチームビルディングを行っているのか?(freshtrax)

第84回 多様な意見が飛び交う社会や組織を築く鍵(2)-「心理的安全(psychological safety)」を高める方策-(株式会社オージス総研様HP)

企業の経営理念とは?経営理念を浸透させる方法と事例(オフィスハッカー)

3.11もブレなかった東京ディズニーランドの優先順位(日経ビジネスONLINE)