BPM(ビジネスプロセス・マネジメント)のメリット、業務改善アプローチを徹底解説!

ビジネスサプリ

政府の働き方改革で「業務改善」を課題とする企業に注目されているBPM(ビジネスプロセス・マネジメント)。本記事では長らく業務改革手法として話題にあがる「BPM」についてご紹介します。この記事を読めば一見して複雑な「BPM」の全体像が明確に見えてきます。

目次

1.BPM(ビジネスプロセス・マネジメント)とは
2.BPMの歴史
3.ビジネスプロセスを効率化するBPMNとBPMシステム
4.BPMを導入する狙いとメリット
5.BPMの目指すもの、未来
6.まとめ






1.BPM(Business Process Management)とは

BPMは、業務のプロセス(手順、役割分担、ルール)を役割分担している関係者で共有することで、日々の業務の成果を向上させる経営手法です。


また、ビジネスの新しい仕組みを迅速に立ち上げ、確実に実行しつつもそのプロセスは整理しておきたいというニーズにもBPMは応えることができます。BPMが大きな注目を集める理由の一つです。

BPMという手法は、主に以下の3つから構成されています。


・業務のプロセスを可視化・設計する手法
・業務のプロセスを実行・管理する情報システム
・上記に基づく業務改革の活動体系

BPMでは、これらを実行する手段として、ビジネス現場ではお馴染みのPDCAサイクルを使います。PDCAは、「Plan:計画」「Do:実行」「Check:評価」「Act:改善」という頭文字を取ったものですが、このPDCA サイクルを回すことで業務改善を促します。


具体的な進め方を見ていきましょう。

まず「Plan」で、ビジネスプロセスの可視化・再設計を行います。具体的には業務プロセスの設計と、画面作成、基幹システム連携など業務アプリケーションを作ることなどが挙げられます。

「Do」ではプロセスをチームで共有化し実行します。業務の始まり(例:注文受付)から完了(例:商品受領確認)までの業務リストを生成して担当者に割り振り業務画面を提供し、進捗管理を行うことになります。

「Check」では、業務の進行状態を常時モニタリングします。案件一覧、個人別業務実績、業務分析、業務ノウハウの登録など、業務振り返りを支援することまでがこれに当たります。

「Action」では、実績データを分析して自ら日々改善していきます。業務案件毎の実績詳細分析やシミュレーション機能を提供し、改善検討を支援します。*1






2.BPMの歴史

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現在のBPMに至るまでには長い歴史があります。まず、業務プロセスに着目したのが1960年代のQCサークルです。QCサークルとは、同じ職場内で品質管理活動を小グループのことです。継続的に製品・サービス・仕事の品質の管理・改善を行い生産効率を上げいきます。

「ムリ・ムダ・ムラ」を徹底排除し、コスト削減を狙ったトヨタのQCサークルは有名です。トップから、現場の社員まで一人ひとりが意識しPDCAサイクルを少しずつ回し続けるということでトヨタは世界一の自動車メーカーになりました。

さらに1980年代には、米モトローラが開発した品質管理手法シックスシグマに発展しました。
シックスシグマとはモトローラが自社製品の品質レベルと日本企業の品質の高さとの差の原因を追究する中から体系化した手法です。不良率の引き下げや顧客満足度の向上などが主な目的でした。


さらに1990年代にはビジネスプロセスを見直して抜本的に設計しなおすBPR(Business Process Reengineering)という業務改革手法が注目されました。


BPRは、1990年代に提唱された業務改革手法ですが、当初、その主たる目的は基幹システムの再構築と組織のフラット化による効率化とスピード化でした。

その後、IT化が進み、基幹システム回りの業務だけでなくフロントオフィス業務のシステム化にも適用できるようになりました。BPMは、このフロントオフィス業務を中心にした現場業務の標準化、ナレッジ化、システム化を図るものです。つまり、BPMはBPRの実践手法という関係です。






3.ビジネスプロセスを効率化するBPMとBPMN

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こうした中、ビジネスプロセスを最適化しビジネス全体の力を引き出す仕組みとしてBPMに期待と注目が集まってきました。

次に、ビジネスに関わる関係者の共通理解言語となる「BPMN」と業務プロセスのPDCAサイクルを回す技術である「BPMシステム」について解説します。

BPMNは業務を実行する際に、関係者が共通に理解しておくべき、仕事の始め方、役割分担、各担当の仕事内容、お客様とのやり取りなどのフローを記述する手法であり、国際標準(ISO19510)になっています。

BPMNは複雑な業務プロセスをモデル図として可視化してあり、部門間をまたいだ業務プロセスの繋がりや関係性を把握することが容易になります。これを使うにあたっては業務改革の位置付けと目標を明確にしたうえ、モデル図でその目的・目標を阻害する要因となるものをあぶり出すことが重要です。

ただ、BPMNを採用したモデル図作成には専門的な知識と経験が必要です。一方、BPMシステムを用いればGUIベースで直感的なモデリングを行うことができ、一般ユーザーでもビジネスプロセスのモデル図を作成すること可能になります。広くBPMが普及してきた理由もこの辺りにあります。






4.BPMを導入する狙いとメリット

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BPMを導入するメリットとしては次の4つが挙げられます。

・本質的な課題発見
・プロセスの見直し
・開発コストの削減が見込める
・部門の合意形成が取れやすい

業務プロセスの可視化により、明らかに不要な業務や、何度も重複した作業をしているシステムや非効率的な業務運営が見えてきます。この業務プロセスの可視化が本質的な課題発見につながります。

BPMはシステム間の連携が容易であるため、連携プログラムの開発工数やコストを抑えながら新規ビジネスに対応するための業務プロセスをモデル化することができます。

また、BPMは様々な意見、知見を集めたり、新しいアイデアを盛り込んだりすることで関係者同士の相互理解に結びつきます。

BPMのポイントは継続して行っていく事にあります。業務プロセスの改善を好循環のサイクルに落としこみ、改善活動を繰り返していくことが重要になります。






5.BPMの目指すもの、未来

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BPMの成果は、業務プロセスの効率化やコスト削減などの短期的なものにとどまりません。変化に富んだビジネス環境に対応できる柔軟性、パフォーマンスを把握して迅速に意思決定できる経営力、常に改善を続ける企業文化などを醸成し、組織を変革するイニシアチブとなります。

そのためには「業務最適化のためにどのようなフローであるべきなのか」を事前にしっかり定義しておく必要があります。

BPMツールの担当者は「既存の業務プロセスの可視化」だけではなく、「実現したい理想的な業務プロセスを設計する能力」すなわちビジネスエンジニアリングや業務デザインの能力までもが問われることになります。






6.まとめ

業務改善はしているけれど、成果や課題がイメージできないといった悩みも少なくありません。具体的なイメージが湧かない場合は、豊富な事例などを説明してくれるセミナーなども活用してみましょう。BPM活動を軌道に乗せ、変化の激しいビジネス環境を乗り切りたいものです。


参考文献

*1 一般社団法人 日本ビジネスプロセス・マネジメント協会 

https://www.bpm-j.org/bpm/