目標設定理論って何?社員のやる気を引き出す心理学

社内コミュニケーション

仕事で成果を上げるためには、社員のモチベーションを高く保つことが大切です。たとえ困難な状況でも、チーム内にやる気のある社員が多ければ、良い成果を期待することができるでしょう。

しかし、この「やる気」は勝手に社員のなかから生まれてくるものではなく、上司が引き出してマネジメントしていく必要があります。

それでは、部下のやる気を効果的に引き出すにはどうすればよいのでしょうか。今回は、この方法のひとつである、「目標設定理論」についてご説明します。

社員のやる気を引き出す魔法の心理学「目標設定理論」

目標設定理論とは、簡単に言ってしまうと「目標とモチベーションの相関関係」を考察した理論のこと。1968年に、アメリカの心理学者エドウィン・ロック(Edwin Locke)教授により提唱されました。「どんな目標を設定すれば、高いモチベーションをもたらすか」を知るためのヒントになるとして、ビジネス心理学の分野で注目されています。

具体的にはどのようなものであるか、以下で学んでいきましょう。

1.困難な目標

目標設定理論では、達成することが困難な目標であるほど、個人のパフォーマンスを引き出す効果があるとしています。達成することが困難な目標とは、通常よりも短い時間で達成しなければいけないプロジェクトや、多くの問題を抱えたプロジェクトなどが挙げられます。

例えば、通常であれば終了までに20日かかるプロジェクトを、10日で終わらせるよう指示されたとしましょう。一見不可能なように思えるかもしれませんが、任されたほうは何とかして時間を短縮できないか、創意工夫をこらしながらプロジェクトを遂行することになります。こうしているうちに普段よりも高いパフォーマンスを引きだせるというのが、この理論の考え方です。

逆に、このプロジェクトを30日で終わらせるよう指示すると、「まだまだ時間の余裕がある」と考えてしまい、通常よりも低いパフォーマンスで業務にあたることになります。

2.明確な目標

優れたパフォーマンスを引き出すためには、明確で具体的な目標を設定することも大切とされています。それが何のために指示されている仕事なのか、具体的にはどんなことをすべきなのか、それらが明確であるほど高いパフォーマンスを期待できます。

例えば、いくら売り上げを上げたいと思っても「頑張って売り上げをアップさせよう!」という目標では、何をどう頑張ればいいのかよく分かりません。しかし、これが「月間2,500万円を売り上げよう!」であれば、その目標のために何をすればいいのかを、社員それぞれが考えることができます。

3.適切なフィードバック

目標を設定するだけでなく、適宜フィードバックを行うことも優れたパフォーマンスを引き出す効果があります。例えば、困難な目標に取り組んでいる社員に対して、必要なアドバイスやサポートを行ったり、適切な評価を行ったりすることなどが挙げられます。

目標が困難であればあるほど、壁にぶつかったり、ストレスを感じたりしやすいもの。そんなときに適切なサポートや評価があれば、安心してそのプロジェクトに打ち込むことができるでしょう。また、目標設定理論では、こうしたフィードバックは回数よりもそのタイミングが大切で、困難な状況に直面したときに、すぐ対応することがモチベーションを落とさない秘訣とされています。

以上のことから、「目標は高く」「明確に」「フィードバックを行う」ことが、高いパフォーマンスを引き出す秘訣とされています。もしも、社員のやる気が感じられないと感じたら、この目標設定理論を参考にしてみてはいかがでしょうか。

ただし、この目標設定理論が有効なのは、社員がその「目標設定」に納得しているときのみだそうです。本人の合意なく、ただ高い目標を掲げればいいというわけではないので、その点はお忘れなく!

参考: