上司にひと言もの申す!生意気なヤツだと思われずに意見を伝える方法

赤提灯マネジメント

今の会社のことは好きだ。

なにより、昔からやりたかった開発という仕事だし
今の業務内容には情熱を持って取り組めている。

だけど、今の課長の仕事の仕方に
納得がいかないところがある。

しかし、今まであまり関わりがなかった人だし
上手く自分の意見を伝えられない。

前の課長とは違って話しかけ難さがあって
どうも苦手なんだよなあ。

いきなり僕みたいなヤツが意見を口に出したら
生意気なヤツだとか反感買わないかと心配だ。

やっぱりこういう時は
あの人に聞くのが一番なのかな?

気が付くと
今日もいつもの居酒屋の暖簾前に立っていた。

【登場人物】
佐藤(29才):電子機器メーカー開発 新米係長 
鈴木(50才):製薬会社 海外営業部 営業本部長  

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「ふーん、それで君はどうしたいわけ?」

「それは、僕もさっき言ったみたいに自分の意見を言うべきだとは思っているんですけど…。いかんせん、意見を言いづらい雰囲気の上司なんですよね。」

「なんか、あまり良くない状況だなあ。仕事辞めるとかいきなり言い出すなよ。」

「話が飛躍しすぎじゃないですか、僕は今の仕事を辞めるつもりはありませんよ。」

「いままで、それなりに部下を育ててきたけどね。上の立場から見ると、辞めていくヤツってのは普段から何を考えているか分からないヤツが多いんだよな。

こっちは悩みがあるなら勿論聞かなきゃならないんだけど、辞めるヤツってのは意見を言わずに溜め込んでいきなりいなくなっちまうってのが多いんだよ。」

「・・・。確かに辞めてった同期はそんなパターンが多かったですね。」

「自分の考えを上司に伝えられないのが積み重なり、それが不満になり仕事への失望に変わって会社を辞めちゃうんだろうね。」

「・・・・・・。」

「君は自分の意見を伝えたいと思っているけど、上司にうまく伝える方法が分からないってことなのかな。」

「言い方、というか伝え方もそうですね。反対意見を出すことで生意気だなあとか誤解を受けそうなのが嫌なんです。特に今回は僕が意見を言いたい所をメインに担当しているのが、普段から話しかけ辛い上司なので。」

「仕事の批判を個人への批判と誤解されないように伝えるのは案外難しいからなあ。」

「そうですよね。今回のその上司は仕事のプライドが高そうなんで尚更言いにくいんです。」

「君の上司の仕事に対する姿勢はともかくとして、まずは君たち2人が話す機会を持たないないと始まらないよ。話し合いをするために上司の予定を聞いてみたらいいんじゃない?」

「そうですね。『今回のプロジェクトの件で話がありますから10分ほど時間下さい』って、手が空いてそうな時を見計らって話かけてみようかな。」

「それも悪くはないと思うんだけど、いきなり話かけてきて『時間作って』なんて部下から言われたら俺なら身構えちゃうなあ。おいおい、コイツは急に何を言い出してんだってね。」

「うーん、どう言ったら良いですかねえ…。」

「最初はメールや社内チャットで予定を聞いてみたら?君らの世代の連中もその方が慣れているんじゃないか?」

「確かにそうかもしれません。いきなり話かけるよりは敷居が低いです。」

「そうだなあ。文中は『◯◯さんと仕事をご一緒にさせて頂くのは初めてですが、今回のプロジェクトで◯◯さんが情熱を持って取り組まれていることに感銘を受けています。私は今回の案件でいくつかの考えを持っており◯◯さんにご相談したいことがあります。来週に昼食でもとりながら、お話させて頂きませんか?』てな感じのメールを投げてみたらいいんじゃない?」

「それ良いですね。昼飯食いながらのほうが気が楽です。なんか営業みたいですね。」

「社内営業てのは覚えていた方が良いよ。ついでに相手の好きなメシでもリサーチしとくと、さらに良いかもね。2人とも酒が好きなら飲みに行っても良いだろうしね。上の立場の人に進言する時は、お互い警戒を解いてリラックスした状態で話せる状況を作ることだよ。」

「そうですね。課長の好みってなんだろうな?考えたことなかったです。」

「相手の好みのリサーチくらいしておいた方が良いよ。好きな話題や食べものなんかで警戒心を解いて、相手の気持ちが開いた状態じゃないと建設的な話し合いなんてできないからね。」

「それで、実際に会った時ってどんな感じで話していけば良いんでしょうか?」

「その課長のアドバイスを求めるって形で話を聞いたら良いんじゃないかな。『今回の案件で自分なりに考えたアイデア・改善策があるんですが◯◯さんの考えが欲しいです。』みたいにね。あくまで君はアドバイスをもらうって立場から君の意見を伝えるとカドが立たないんじゃないかい?」

「なるほど。でもそれだと僕がへりくだり過ぎじゃないですか?」

「別に上司に媚びろって言ってるわけじゃないぞ。上下関係なく意見を交換する際には相手への敬意を忘れたらダメなんだ。その部分が疎かになるから誤解が生まれて、無駄な争いが増えちまう。」

「そうですよね。個人攻撃の為に議論するわけじゃないですからね。」

「上司だって人間なんだから間違いもするさ。本当は皆からの意見を欲しがってるんじゃないか、その上司は?個人のアイデアをチームでブラッシュアップしていくから俺らは組織で仕事をするんだろう?」

「僕もそこは上司に解って欲しいところです。」

「そして、この話し合いをする際には『この問題は私にとって重要なので◯◯さんと共有したかった』と個人的な君の立場をハッキリと伝えた方が良い。プロジェクトチームのメンバーとしてプロジェクトの課題・問題に意見を言うことを明確にするんだ。決して君が上司個人を批判していると誤解させないことが大切だよ。」

「意見を言うにしても、やっぱり準備が色々といるんですね。」

「君だって、仕事をいきなり中断させられて自分の仕事に意見されたら、なんだコイツ?ってなっちゃうだろ?ステップを踏んで伝えた方が誤解が少なくなるって話だよ。」

「いやあ、やっぱり鈴木さんに話せて良かったです。来週に上司と話し合う時間を作ってもらいますよ。」

「人間関係は言いたい事が言えなくなったら終わりだよ。だから俺は自分の意見はしっかりと伝える。俺は森伊蔵が飲みたい。」

またしても、奢らせられてしまった。
余計な出費が増えてしまったが、今日もおじさんと話せて良かった。

―今日も居酒屋の赤提灯は煌煌と夜に浮かんでいた。

~続く~

本記事は、赤提灯居酒屋で、企業戦士たちの談話を肴に、お酒を嗜むことを趣味とする筆者が、居酒屋で耳にした実話と、仕事上の体験談を、プライバシー保護を目的に編集、再構成したフィクションです。