人事管理の最適解?部下を管理せず支援する1on1ミーティング

ビジネスサプリ

本記事はビジネストレンドやビジネスハックについて会話型で解説を行うフィクション記事です。実在の人物や団体とは関係ありません。

八代さん
日本舞踊とゾンビ映画が好きなOL 上司に丁寧な物腰で失礼な事を言うのが得意。
趣味に没頭しており世の中のトレンドに疎い。悪気はない。

部長
会社で割とエライ人 八代さんに失礼な事を言われる事に困惑している。
役職柄社員の働き方が気になっている。最近のトレンドや日本だけでなく海外の事情にも詳しい。


「はあああ…。」

「どうしたの八代さん?」

「あ、部長。何故かやる気がでなくて、仕事の効率が上がらないんです。」

「君の仕事の効率はいつも悪いけど、今日はいつにも増して酷いな。何かあったのかい?私でよければ相談に乗るよ。」

「ありがとうございます。実は、先週に夏休みを頂いたのですが、それから調子が出ないんです。」

「ふむ…。ちなみに休暇中はどんな過ごし方をしてたの?」

「はい、毎日ラジオ体操行ってから午前中に『双子が甲子園目指す野球アニメ』の再放送を見てから、そうめん食べて近所の公園の池でザリガニ釣りに行って昼寝して『赤いアタマのヤンキーがバスケするアニメ』の再放送見て夕ご飯食べてました。」

「え…それで?」

「はい、『双子が甲子園目指す野球アニメ』の再放送見ないと1日のスタートが切れない感じがして調子が悪いんです。ちょうどダメな方の弟が野球部に入るかもしれないってタイミングで夏休みが終わってしまったので。続きが気になって仕事に手がつきません。一旦『双子が甲子園目指す野球アニメ』を見に帰宅しても良いでしょうか?」

「もちろんダメだよ。OK出ると思った?君、夏休みボケだろ。ダラダラした90年代の男子小学生のような休暇の過ごし方しないで、OLなんだから京都とか沖縄とか旅行してリフレッシュしたら良かったんじゃない?」

「私は旅行するならインドとかメキシコとかに行くタイプです!OLの旅行先を決めつけないで下さい!セクハラです!訴えます!社内の女子を巻き込んで部長を吊るし上げます!」

「(怒るポイントがよく分からんな、このコ。)えーと、ごめんね。決めつけは良くなかった。セクハラ扱いはやめて。確かに休暇をどう過ごすかは個人の自由だもんね。そこは私が悪かった。」

「まあ、良いですよ。部長に繊細な女子の部下の気持ちを理解していただこうとは考えておりませんから。」

「いや、繊細な女性は休みにザリガニ採取しないよ。しかし、何で君が調子が悪そうにしてたか解って良かったよ。やっぱり1on1のコミュニケーションは重要だね。」

「1on1?リバウンドを制する者がバスケットを制するんですか?」

「それは『赤いアタマのヤンキーがバスケするアニメ』の話だよね。俺が言ってるのは、1対1のミーティングのことなんだけど」

「あ!そういえば私達、いつも2人だけで会話してませんか?」

「それは、対話型学習記事の登場人物だから仕方ないんだ。設定がややこしくなるから、発言に気をつけようか?」

「メタ発言はやめようって前回言ったのは部長ですよ!」

「(よし、ムシしよ。)それでね。1on1ミーティングはシリコンバレーで始まり日本でもヤフーやクックパッドといった企業でも取り入れられているミーティング手法で採用したことにより1年で離職率が20%から0%に低下した企業もあるんだよ。」

「1対1でミーティングするって、そんな特別な方法じゃないですよね。色んな会社でしてそうですけど。何が違うんですか?」

「1on1ミーティングは仕事の進捗確認だけでなく、コーチングの要素を取り入れて部下と上司の関係構築や動機づけを改善させて意欲を高めてキャリアプランを考えていく人材育成方法なんだ。」

「耳慣れない単語が多すぎて内容が入ってこないし、今は気分がノらないので後にして頂けますか?」

「おい!帰り支度をするな!話を聞きなさい。こうやって1対1の対話をする事で心理的な距離感を縮めて、お互いの信頼関係を構築するって言う目的があるんだ。帰らないで!」

「うふふ。冗談ですよ。」

「(帰り支度を完璧にしておいて、何が冗談なんだ?)まあ、とりあえず君は僕に言いたいことを言ってくれるんだから、最低限の信頼関係は出来ているよね?本音で語ってくれるような信頼関係が1on1ミーティングには必要なんだよ。」

「私は部長を尊敬しております。」

「なんでだろう?上司が部下から一番言われたいセリフを貰ったはずなのに全然嬉しくない。まあ良いか。1on1ミーティングで重要なのはミーティングを行うサイクルを短くすることなんだ。半期に一回90分ガッチリ対話するよりも、1~2周間に一度くらいの頻度で30分のミーティングをするのが良いと言われているんだ。」

「私も彼氏が出来たなら、短い時間でも良いから頻繁に会う方が良いですね。彦星みたいな彼氏はちょっとムリです。」

「(恋愛話じゃないんだけどな…)効果的な1on1ミーティングするには一ヶ月以上空けずに定期的に行うことが大切なんだよ。部下の課題が分かったら上司は早くフィードバックしないといけない。問題を保留にしている期間が長引くほどに状況が悪化してしまうかもしれないからね。問題が大きくなる前に話し合う機会を持つ事が大事なんだよ。」

「恋人は些細なすれ違いから問題が大きくなりますもんね。」

「いや、恋愛話はもう良いから。それでね、1on1ミーティングでのアジェンダは部下が決めた方が良いんだ。」

「また難しいことを…。」

議題・テーマ・話したい事を部下に言ってもらう事が大切なんだよ。1on1ミーティングは8割は部下が喋った方が良い。上司が部下の課題を掴まなきゃならないからね。」

「私は、部長なんかに話したいことなんて特にないですけど。」

「(さっき尊敬してるって言ってなかったか?しかし、どんな部下でも悩みや課題をあぶり出すのも上司の役目だ。)部下がテーマを決められない時は上司がヒアリングするんだよ。

『仕事をしていて不安なことはある?』とか『やってみたい業務はある?』とかね。部下に質問するときには《企業のカイゼンに必要なのは、正しいフィードバック術だ》や《経営者とは、正しい質問をする人である。》を参考にしてくれると良いかもね。

あとは、仕事に影響してくるならば家族の話や職場の対人関係の話も聞いておいた方が良いかもしれないな。」

「課題とか改善点とか、部下がいちいち言うの面倒じゃないですか、そんなの空気で察してくださいよ。」

「俺ら上司は読心術師じゃないの!メンタリストじゃないんだから言葉で伝えなくちゃわからないでしょ?」

「恋人同士なら、それくらい分かって欲しい時もあります。」

「恋愛話から離れてもらえますか?将来のキャリア設計とかは本人じゃなきゃ分からないでしょ?上司や会社が一方的にキャリアデザインしてもお互い不幸になるだけだよ。

会社はこう育って欲しいと思って採用するわけだけど、そのプランは会社状況で色々と変わっていくわけだから、コマメに部下の声を聞かなきゃならない。お互いのゴールのベクトルが合っているか、定期的に確かめないといけないんだよ。」

「また、ムヅカシイ話を…。そういえば、さっきから部長は何を書いてるんですか?」

「ああ、これか。メモをとってるんだよ。こういった雑談の中でも大切な気づきがあるかもしれないだろ。それにメモをとることで部下にも敬意を見せてね。話し手がより真剣になって有意義な話や情報を伝えてくれやすくなるという《インタビュー効果》という心理学のテクニックの一つなんだ。」

「へえ、そうなんですか。そんな事より、部長もこのお菓子食べますか?美味しいですよ。」

「(こいつ、インタビュー効果が効いていない…。)ありがとう。俺はいいわ。それでね、課題や改善点が見つかったら、それをいくつかのステップに分けてみる。指標化して達成の支援をするんだ。これが最も重要だよ。

そして、次のミーティングの機会を設定して、ミーティングを繰り返していくんだ。目的管理と進捗評価だけではなく、成長支援するサイクルを作る事によって1on1ミーティングは効果を発揮するからね。」

「部長は頑張りやさんですね!」

「はああ…。そうだねえ、もう頑張るしかないよ。君が成長してくれる道のりは遠いな。よし!まずは今回の話を理解しているか、もう一度機会を設けて、君の感じている課題やキャリアプランを聞いてみようかな。来週末に時間を空けといてくれないか?」

「はい!バッチリです!ただ部長は今回8割以上を一方的に喋っておらましたので、次回はそこを改善できると良いですね。」

「・・・・・・・。」

参考文献

7 Essential Tips for Effective 1 on 1 Meetings with Your Manager(LIGHTHOUSE)

1on1ミーティング実施企業7社|ヤフー、クックパッド、スペースマーケット、グリーなど(HR NOTE )