業務改善につなげる、部下のネガティブな意見を受け入れる4つの方法

組織マネジメント

「○○の案件は△△がおかしいです!」
「今回の◇◇は☆☆が納得がいかないです!」

職場でこのようなネガティブな意見を言ってくる社員はいませんか。

「経験が浅いくせに自己主張だけは一人前だなあ、聞いているほうがカチンとくる!」
と、思われた方はいませんか。

彼らを、「めんどくさい部下」または「組織のやっかいもの」とレッテルを貼って、邪険に扱うのは簡単です。しかし、その対応は会社の事業改善の機会を逃しているだけなのかもしれません。

会社や組織に問題意識を持っている彼らこそ、会社の事業改善のヒントの提供者です。管理職者は彼らのネガティブな意見を受け入れて、業務改善に生かしましょう。

管理職が部下のネガティブ意見を受け入れなければならない理由

部下からのネガティブな意見は、本当に管理職者にとって重要でしょうか?

確かに、経験もなく視野が狭い社員からの意見は、一見すると、浅はかな意見に感じてしまいます。人の上に立っている管理職の立場からみると、貴方や会社の姿勢を安易に批判している身勝手な意見のように思ってしまうかもしれません。

しかし、筆者はネガティブな意見を部下から貰った時にうまく対応することでマネジメントは上手くいくようになると考えています。

なぜなら、否定的な意見があった場合、その意見は管理職である貴方が関知できない現場レベルでの問題を示している場合があるからです。具体的な改善方法は何なのか、組織構造、システムを改めて見直し戦略を練り直す絶好の機会となります。

また、部下は同僚や上司との摩擦を恐れて、自分の意見を言えない時があります。一時的には自分のなかで消化できるような些細なことでも、それが蓄積されると、フラストレーションが溜まり、誰かを陰で批判したり、そのせいで業務が滞るような状況に陥ってしまう可能性があります。最悪の場合、離職してしまう可能性もあります。

「あいつは何考えているか分からないまま辞めたな。」というような状況が一番問題です。

何も言わずに職場を去ってしまわれては、職場環境の改善のしようがありません。その問題はくすぶったままに、解決不可能のまま潜在化し続けます。これを防ぐためにも、ネガティブな意見を受け入れる必要があります。

そして、チームメンバーはあなたの上司としての姿勢を常に見ている事を忘れてはいけません。上司は、「話を聞いてくれない」「意見を言っても無駄だ」と一度でも思われてしまったら、職場からの信頼を失ってしまいます。

その状態に陥った上司は、建設的な意見を集める事ができなくなり、管理職者として能力を疑われてしまうかもしれません。そうなる前に、ネガティブな意見を受け入れる態勢を身につける必要があります。

ネガティブな意見を受け入れて業務改善に生かしていくべき重要性が分かったところで、どのように実践していけば良いのか、みていきましょう。

思わずしてしまいがちな「ダメ上司」の態度と発言と合わせて、「ネガティブな意見を受け入れられるようになる4つの方法」をご紹介致します。

1、(話を遮って)どうしてそう思ったの?そんな事ないでしょ!

49_(1).jpg相手の発言の真意を掴むまで、話を遮ってはいけません。

部下が否定的な意見を出して来た時にやってしまいがちなのが、相手の話しが終わる前に、この意見は無駄だと判断を下して口を挟んでしまうことです。相手が言いたいことを完全に理解しないままでは相手の貴重な意見を受け取る事ができません。相手が話し終わるまで、あなたは黙って耳を傾けましょう。

「もうその話は無駄なのでやめて、私の話を聞いてくれ。」
「言いたい事はもう全部分かった、その話は結構だよ。」

自分の意見を言っている最中で、話を遮られたら上記のように言われた事と同じです。相手は、自分は軽んじられていると感じ、貴方にとってメリットのある話がその後に控えていたとしても、二度と貴方に進言することはないでしょう。

逆に、発言を軽んじられている人物の話を、最後まできちんと聞けばその人物は感動さえしてくれるはずです。

「人を動かす」「道は開ける」などの自己啓発の著者で、世界的に有名なデールカーネギーは「人の話を聴くことで、人生の80%は成功する。」とまで言っています。これは上司、同僚、部下に関わらず、全ての人間関係にも言えることです。

相手が喋っている間は、静かに耳を傾けましょう。

2、(相手発言が終了して、0,5秒後)はい!じゃあ聞きたいんだけど。

49_(2).jpg相手の意見が話終わった際に、すぐに反論してはいけません。感情的で整合性のとれない発言をしてしまう可能性があるからです。

相手の意見を貰ったら、すぐに言い返さずに数秒間、椅子に座って暫く静かに落ち着きましょう怒りや感情に任せない論理的な回答ができるようになります。

怒りのピークは6秒間しか持続しないという研究結果があります。

また、"Search Inside Yourself"というトレーニングプログラムをGoogle社は採用しています。

その中で6秒間のマインドフルネスを上級管理職者に奨励しています。6秒間、深呼吸をするだけで副交感神経が優位になり、人は落ち着きを取り戻す効果があります。

相手の否定的な意見を聞いたら、一旦椅子に深く座り直して、深呼吸してから自分の意見を伝える事をオススメ致します。

3、(腕を組んだまま)はあ!?

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例え、あなたに否定的な意見を言ってくる部下だとしても、相手に不敬な態度をみせてはいけません。あなたが熱心に意見を聞いているかを示す必要があります。

シリコンバレーでは、部下の意見を聞く時に上司の方がメモを取ってみるという方法が奨励されています。

この方法は、インテルの伝説的CEOであるAndy Grove氏が実践していました。氏はメモを取りながら部下の意見を聞く事で、その意見をより体系的に考えられるようになり、記憶と保持力を大幅に向上させ、建設的な議論をすることが出来ると述べています。

このメソッドは、心理学ではインタビュー効果と呼ばれています。("聞く姿勢を見せる事が重要“インタビュー効果)メモを取られながら話を聞かれると、人は「より正確で多くの情報を与えたい」と思うようになり、これからもたらされた意見は、建設的な議論の良き材料になるでしょう。

簡単なメモ書き程度でも結構ですので、紙とペンを手に持って意見を聞いてみましょう。

4、今回の件なんだけどね…(以後、10分以上続く上司の持論)

49_(4).jpg話が長くなってしまう自覚がある人は特に注意しなければなりませんが、相手がネガティブな意見を話してきた時は、貴方の考えを簡潔に伝える必要があります。

物理的に、相手に多くを喋ってもらうために、あなたの語る時間を減らしましょう。

上司が伝える事を簡潔にすることによって、相手にあなたが意見を受けいれる余裕があることを伝えます。反論やあなたの意見を述べることは、一旦我慢して、後でまとめて伝えます。

こちらの考えを伝える時には「ありがとう。今日もらった君からの意見を検討するよ。来週末に、私の意見を伝える時間をくれる?」と聞いてみましょう。

部下からもらったネガティブな意見について考える時間を得る事ができ、あなたが相手の意見を真摯に受け止めていることを伝えられます。

まとめ

ネガティブな意見は会社や貴方に対する、ただの批判ではなく、「改善のヒント」でもあることを忘れてはなりません。どのような意見がでたとしても、言ってくれた事に感謝を示しましょう。

部下からネガティブな意見が出たら、「その視点から貴重な意見をありがとう。」または「その意見が聞きたかったよ、ありがとう。」、と言葉にすることです。

本記事の方法を、あなたのマネジメントに活用して頂ければ幸いです。

参考文献

Five ways to receive negative feedback well(know your company)

「怒りのピーク」は6秒、感情と上手に付き合う秘訣 アンガーマネジメントで、ストレスも対人関係もスッキリ!(NIKKEI STYLE)

Just 6 Seconds of Mindfulness Can Make You More Effective(Harvard business review)

How to take notes in your one on ones in any situation(LIGHTHOUSE)

話させるインタビュー効果/聞きたくさせるツァイガルニク効果(心理学のいろんな実験や心理効果)