生産性が高まる、社員が働きやすい組織文化を作る4つの方法

組織マネジメント

突然ですが、従業員の生産性をあげようとインセンティブ制度を設けているにも関わらず、時間が経つとどうも効果が薄れてきたような気がするようなことはありませんか?

インセンティブが、高い効果を発揮するのは短期間であり、高い効果の維持のためには従業員を支援する組織文化の醸成が必要です。従業員を支援する組織文化は組織の末端にまで浸透していき、やがて社員の行動規範となります。

この、従業員を支援する文化が組織に育まれれば、インセンティブがもたらす効果を継続していくことができます。インセンティブがもたらす効果については拙著「インセンティブデザイン −鼻先にぶら下げた人参は、目的地を知らない」をご覧ください。

では、従業員を支援する組織文化の醸成のためには一体何を行えば良いのでしょうか?本記事では、組織文化醸成のために取り入れるべき4つの方法をご紹介いたします

1、 従業員のライフスタイルに対応した勤務制度の採用

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育児や介護、通勤や健康など、従業員一人ひとりのライフスタイルに応じて勤務時間や働く場所を選択できるようにするテレワーク制度、短時間勤務など、これからの日本人のライフスタイルの変化に対応した働き方を積極的に取り入れましょう。

サイボウズ株式会社様はフレキシブルな組織文化を作り離職率が28%から4%へと低下したという事例があります。

株式会社リクルート住まいカンパニー様では、育児や介護などの様々な事情を持つ社員のみならず、全ての従業員を対象とした上限日数なしのリモートワークを2016年10月から導入されています。自宅やコワーキングスペース、カフェ、時間貸しオフィスなど任意の場所で業務が可能になっています。

また、富士通株式会社様ではカムバック制度を採用しています、育児・家族介護・配偶者の転勤などの、やむを得ない事情により退職した元社員や、学業・転職等によるキャリアアップのために退職した社員を再雇用する制度です。これにより、留学や転職などでスキルアップした優秀な人材を再び呼び戻すことができます。

どの施策も、個人の働き方に合わせた柔軟な働き方を提案している好例になっています。

2、当事者意識を引き出すオーナーシップを部下に付与する

43_(1).png部下へ積極的にオーナーシップを与えましょう。オーナーシップとは、例えば製造現場において、課長が今まで持っていた数量や発注先の決定権限を部下に委譲することで、部下に芽生える「当事者意識」や「参画意識」を指します。

ここで注意すべきなのが、権限をいきなり全て譲渡するのではなく、少しずつ渡していくことです。「じゃあ、任せたからな。君も自由に考えられて行動できていいでしょ?その代わり結果は出せよ。」と、上司が自分の仕事と結果責任を放棄する事は、正しいオーナーシップの付与とは言いません。

また、自社の経営に対する社員の当事者意識・参画意識を促す目的で、従業員持ち株制度やストックオプション制度などインセンティブ報酬の導入から社員のオーナーシップの醸成を狙うのも一手です。

部下を信頼し、マイクロマネジメントを避けることにより、部下の成長を促すだけでなく、会社の目標達成に貢献し、自らのキャリアを向上させることができます。

チューリッヒ大学とミュンヘン大学の合同研究では、部下に裁量権を与え使命感を持たせると生産性が増すという研究結果が示されています。

3、家族と過ごす時間を奨励

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日本経団連は2007年より「家族の日」・「家族の週間」を設定し、社会人が家族とのつながりを深める事を奨励しています。これによって、ノー残業デーの設定や、子供の長期休暇に合わせて職場見学の実施を実施、メモリアル有休所得に特別手当を出す企業が増えつつあります。

ユニークな取組みとして、株式会社リクルートマーケティングパートナーズ様は、2016年7月より社員を対象に、育児体験プログラム『育ボスブートキャンプ』の導入を開始されています。

管理職が率先して体験することで、子供を持つ女性社員の働き方の理解が深まり、さらに、男性社員が取りづらい育休のとりやすさの改善がのぞめるでしょう。

WorkplaceDynamics社の13,000人以上の労働者に対する調査によると、ワークライフバランスのとれた就業環境を企業が整えることで、労働者の生産性の向上が見られました。

仕事と生活のバランスが良いと感じている従業員は、そうでない人よりも21%もの生産性向上につながっていると同研究では指摘しています。

社員が私生活を大切にすることで得られる組織側のメリットについては拙著「業績アップ!今すぐ経営者が「家族の時間」を奨励すべき5つの理由をご参照ください。

4、ミスを責めない、不安を煽らない会議ファシリテーション

43_(2).jpg新しいプロジェクトや部門を跨いだ会議を開いた時に、経験の浅いメンバーや、知識がないメンバーも気軽に発言できるような雰囲気を作り出すことが重要です。

例えば、自分の意見や質問が検討はずれかもしれない、あるいは、同僚から馬鹿にされたり、上司から叱られないかもしれないから意見を述べるのは控えようとするピリピリとした雰囲気を組織が持つことは支援的な組織文化を形成する上でよくありません。

会議の時はもちろんですが、普段からのコミュニケーションで、部下や同僚の話や意見を聞く時に、例えミスや間違いがあった場合でも、彼らを否定して、話を遮ったり反駁することは控えましょう。

起業家でエンジェル投資家のエイミー・リーズ・アンダーソン氏は、「ミスは我々を素晴らしいアイデアと革新へと導いてくれます。人は間違いから、新しい発見をして、大きな教訓が学び、そこから成長していきます。」と語ります。

同じ考え方として、グーグル社は心理的安定性を提唱しています。生産性が高い組織には「他者への心遣いや同情、あるいは配慮や共感」といったメンタルな要素の重要性であり、これに成功したチームでは、これらの点が非常に上手くいっているという研究結果をまとめています。

まとめ

本稿の4つの方法を参考にして頂き、社員が働きやすくなる、より良い組織文化創出お役に立てれば幸いです。

参考文献

6 Ways to Create a Supportive Work Environment(the mission)

サイボウズの離職率が28%から4%へと低下した理由は、柔軟な組織作りにあり?!(エンゲージメントフォーラム)

上限日数なし・全ての従業員を対象としたリモートワークを2016年10月より本格導入。 ~働き方の選択肢を増やし、新しい価値の創造につなげる~(株式会社リクルート住まいカンパニー様HP)

カムバック制度(富士通株式会社様HP)

Discretion, Productivityand Work Satisfaction(Björn Bartlinga, Ernst Fehrb and Klaus M. Schmidtc)PDFUniversity of Zurich、 University of Munich

「家族の日」・「家族の週間」にちなんだ各社の取り組み((社)日本経済団体連合会PDF)

社員向け育児体験プログラム『育ボスブートキャンプ』リクルートマーケティングパートナーズで導入開始~RMP働き方改革の次なる挑戦~(PRTIMES)

Work-life balance increases employee satisfaction, productivity(dayton daily news)

What Google Learned From Its Quest to Build the Perfect Team(the new york times magazine)