埋もれた資源と人材を活用するギグエコノミーのメリット・デメリット

Engage+

本記事は、最近注目を集めるギグエコノミーについて会話型で解説を行うフィクション記事です。実在の人物や団体などとは関係ありません。

《登場人物紹介

八代さん
日本舞踊とゾンビ映画が好きなOL 上司に丁寧な物腰で失礼な事を言うのが得意。趣味に没頭しており、世の中のビジネストレンドに疎い。悪気はない。

部長
会社で割とエライ人 八代さんに失礼な事を言われる事に困惑している。
役職柄社員の働き方が気になっている。最近のビジネストレンドや日本だけでなく海外の事情にも詳しい。

41_(1).jpg

「八代さん、次のプレゼン資料、まだ終わらない?」

「はい、部長にすごいダメ出しされてるので。」

「・・・君。あの資料、フォントも文字サイズもグラフも画像もズレまくりで、1ページとして揃っていないんだぞ。逆に難しいぞ、あんな資料作るほうが!」

「申し訳ありません!部長が悪いんじゃなくて私が悪いんです!」

「本当に100%君が悪いんだけど、俺にも責任あるみたいな物言い止めてくれる?

私の能力が足りないばっかりに、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

(素直に反省してくれてるのか?)

でも部長、何も私がこんな資料作る必要なくないですか?誰か雇ってくださいよ!

(いや、反省してないよ、絶対。こんな資料て。誰が採用したんだ、この子を。)
「そんな予算はありません!だいたいね。このご時世は深刻な人材不足なんだよ。

へ~。それは大変ですね。

(…他人事か?)
だから世の中の企業も、人材不足の問題を少しでも解消しようと色々考えているんだよ。例えばほら。ギグエコノミーっていうの聞いたことない?

耳慣れない単語で存じ上げないのですが、横文字使ってカッコつけずに、日本語でご教示頂いてよろしいでしょうか?

カッコつけてるわけじゃないんだけど、ワークシェアリングとかシェアリングエコノミーって聞いたことないかい?

私日本語って言ったんですけど、部長大丈夫ですか?

(くそ…コイツは)
…俺が悪かった。君、ミュージシャンのライブとか行ったことある?

それはもちろん!

「(ミュージシャンもライブも横文字なんですけどね。)ミュージシャンやバンドマンとかが気軽に音合わせすることを「gig」って言うんだ。

ギグ?

そう。これはその場限りの演奏に対して言うことが多い。ギグエコノミーっていうのは、そこから転じて「単発の仕事をお願いする」って意味を持つんだ。

お願いする側の要求に応じることを、オンデマンドともいうから、需要に応じて必要な労働料を提供するオンデマンド・エコノミーとも呼ばれる。airbnb、uberとか聞いた事ない?

聞いた事ないですけど、なんか、働き方が自由になるんですね。

労働者側にとっては、例えば育児や介護などでフルタイムで働けない人の働く機会が増える。一方で雇う側にとっては、スキルはあるが、時間の制約で埋もれた人材をコストをかけずに活用できるメリットがあるね。

どちらにとってもメリットがあるんですね。(それなら、いっそ、このプレゼン資料もギグエコノミーでやってくんないかな。部長…。)

アメリカのメディアの調査によると、ギグ・エコノミーでの仕事の数は、2002年には9パーセントだったものが、2014年には14パーセントに増えている…

部長!ウチでもやりましょう!どこに頼めばいいんですか?

頼むとしたら、クラウドソーシング会社なんだけど、最後まで話を聞けよ!メリットばかりじゃないんだから。賛否両論ある考え方なんだ。

あ~じゃあ辞めましょう!面倒ですし。

「話を聞・い・てもらえるかな。

そもそもクラウドソーシング会社ってわかってる?

ええと、ネットで外注さんにお願いするってことですよね?

あ~、それは知ってるんだ。

クラウドソーシングは、仕事を依頼したい顧客とそのサービスを提供できる者を引き合わせるプラットフォームビジネスだ。

プラットフォームって何ですか?もう横文字やめてくださいよ!

この場合は、ネット上でビジネスの場を提供するサービスって意味かな。今はスマホでも簡単に登録できるんだよ。

なるほど。(そういえば、部長って全体的にすごい細長い体だなあ。)

(お、いつになく真剣に聞いているな。)だけど、ここで問題がある。特定のサービスが市場を独占してしまうと、顧客とサービス提供者、両者にとって不利益な事が起きる可能性がある。

独り占めは良くないと思います!問題ですね!

…いやそうじゃなくて。そのプラットフォームでしか、自分のスキルが売れなくなっちゃったら、労働者は足元を見られて、安く買い叩かれるようになるかもしれない。そして、発注者は費用に見合わないクオリティのものを納品される可能性がある。

ズルしちゃうんですね。私は、どんなサービスでも、便利で気軽で安くなるんだったら素晴らしいと思います!

だから、そんな簡単じゃないんだよ。その証拠にこれらのプラットフォームサービスの中には世の中に良いと絶賛されているサービスもあれば、そうでなく批判にさらされているサービスもある。

とはいえ、人材不足の問題を解消しようと思ったらこれらのサービスとうまく付き合っていかなければいけないんだ。我々のようなBtoBの会社で活用するなら、新プロジェクトを立ち上げた時に、必要なスキルを持った人材が欲しいってなった時や、業務の繁忙期で、一時的に業務経験のあるスタッフが必要になった時だろう。

では、さっそく、この資料をまとめる人材をギグエコノミーしませんか?

「いや、今までの話聞いてましたよね?そもそもこの資料は、社内でしか扱えない社外秘のデータがあるから、外部に出せないの!

そんな貴重なデータを私に扱わせて、この会社は大丈夫なんでしょうか?

大丈夫じゃないから、僕が君に付き合ってるの。分かるかい。

はい、ありがとうございます!

(この前向きな姿勢だけは評価してあげたい…)よし!やるか!

まずは、この資料のフォーマットなんだけど、君は時間をかけてイチから作ってるだろう?テンプレートを使いなさい。

フォーマットとテンプレートってなんですか?

・・・・・はぁ。」

参考文献

UberやLyftがもたらした「ギグ・エコノミー」の光と影(wired.jp)