行きたくない会議の先にイノベーションはない~創造性あるアイデアを引き出す11の方法

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働き方に関する生産性への注目が日増しに高まってきている昨今、ミーティングや会議は多くの関係者を拘束することもあり、時間コストに対する成果の向上を求められています。

ミーティングや会議の成果向上のためには、関係者の持つ経験と知識を生かし、価値ある議論が生まれる仕組みづくりが欠かせない、と筆者は考えます。

果たしてそのような仕組みや方法が存在するのでしょうか?

これらの成果を最大限に高めようとする施策は、海外でも数多く試され効果を上げている施策もあります。

本記事では、ミーティングや会議の成果向上のために効果的な価値ある議論が生まれる仕組みや方法を実際の事例とともにご紹介致します。

1、お手本は既にある。優良企業視察ツアー

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もし、あなたが会議やミーティングの成果が何かわからなくなってしまったら、百聞は一見にしかず。成功しているに直接訪問してみましょう。

現場に足を運ぶことでヒントを得ることは、価値あるアイデアを生み出すために必要なプロセスと言えます。世界的なヒット作を多く抱えるピクサーでは、新しい映画を作る際、正確さやリアリティ、新しいアイデアを得るためにロケハンをしています。実際に、足を運び、体験しなければ、自分の作品に取り入れることはできないという考えからです。

職場制度や福利厚生、経営手法が注目された会社を視察することで、業種や業界を超えて、組織形成や経営理念を学び、自社への応用を検討しましょう。

とはいえ、視察を受け入れている企業かは、外部から中々わからないものです。その時は、視察ツアーを運営している企業に相談してみるのも一手です。

2、組織内情報プラットフォームを醸成する。社内イベント

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社員は業務で培った経験と知識を多く持っています。その内容は当然ながら人によって様々であり、社員の持つ経験や知識は会社にとって重要な資産です。このような組織の資産を社内で共有する仕組みに社内イベントを活用することができます。

例えば、日経リサーチ調査の2016年度「人を活かす会社ランキング」で1位だったジョンソン・エンド・ジョンソン社では、社内でのTEDトークを組織しています。社員がアイデアを共有し、イノベーション文化を醸成するための環境を作り出すことを目的としています。最初は小さな集まりでしたが、今や128,000人以上の従業員が新しいアイデアを参照できる、内部プラットフォームに成長しました。同じように、Volvo Group社はグループトークを組織し、オンライン学習プラットフォームを通じて世界中の社員と共有しています。

3、最新の取り組みを体感できる。スタートアップイベント

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スタートアップイベントにメンバーと共に参加してみましょう。彼らのビジネスプランに触発され、ビジネスにつながるインスピレーションを受ける事ができます。さらに、ビジネスを発展させるチャンスにも出会うことができます。 

日本でもスタートアップイベントというカテゴリのイベントが増えてきました。例えば、Tech in Asia TokyoStartup Weekend TokyoサムライベンチャーサミットTechCrunch TokyoInfinity Ventures SummitSlush Tokyoなどが有名です。

4、社内の知見を共有できる。ノートデー

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ピクサーは従業員が定期的に小グループに集まり、意見交換を行う「ノートデー」を開催しています。この会を続けていった結果、会社の展望に関わるような、挑戦的なテーマについて討論をするために、所属部門を超えて社員が集まるようになったそうです。

同じような考えから、昼食と勉強を兼ねたランチ勉強会を取り入れている企業もあります。社員全員は、その日のミーティング、スケジュールに関わらず参集し、昼食を取って一緒に座って、テーマを決めて学んでいます。

ある人は講師側に回り、関心があることや、彼らが取り組んでいるサイドプロジェクトを紹介します。残りの人は聴講生となり、昼食を楽しみながら学びます。これは、独自の組織文化の形成にも役立ちます。

5、具体化&スピーディーは成果のカギ。ハッカソン

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ハッカソンとは、ソフトウェア開発分野における開発スキームの一つとして取り入れられている手法です。1日、1週間といった短期間で、アイデアを出すための議論から実際にプロトタイプを作って公開するまでを一気に行います。

この手法が魅力的なのは、どのような形であれ、最終的に目に見えるアウトプットを求める点にあります。ありがちなアイデアが出て時点でプロジェクトが終了した気になることや、アイデアが出ないからといって先送りするようなことを、物理的な時間制約を設けることで抑制することができます。

現在この手法は、ソフトウェア関連だけでなく、マーケティングやHR(Human Resources)など、経営における問題を創造的に解決するための手法として注目されています。

実際にHRの課題にハッカソンを応用した例があります。

LinkedIn社は、シリコンバレーから他の企業と一緒に、従業員のライフサイクル全体にわたって低いエンゲージメントスコアを改善することを目標とし、HRのハッカソンを開催しました。世界各地のHR部門や様々な部署の従業員が120チームに分割され、参加した800人の従業員が24時間で、新しいHRソリューションを作成しました。その結果、「採用募集方法、新入社員の教育、マネジメントの改善、チームの学習と開発」など、幅広い人事の課題に対応した105の新しいソリューションを開発しました。

6、気軽な議論の場。オープンスペース 

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重苦しい会議の時よりも、その後の休憩スペースで気軽な話をしていた時に良いアイデアが浮かんだ経験はありませんか?

このような「会議後のコーヒーブレイクの方が有意義だった」という意見を元に、Harrison Owen氏はオープンスペースという手法を考案しました。この方法は、参加者同士が気軽に話をできる状態を意識的に作り出す方法で、議題をあえて設定しない会議の形態をとります。

世界最大の航空宇宙機器開発製造会社ボーイング社は、このオープンスペースセッションを定期的に開催します。業務の効率化やコミュニケーションの簡素化などのトピックを扱っています。

7、議論を鑑賞する。フィッシュボウル

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フィッシュボウル(金魚鉢)と呼ばれるディスカッション方式があります。これは、議論を構成するために、非常に効果的な方法論です。

まず、議論をするグループの周りを他の参加者が囲みます。そして、グループを囲んだ人は、議論の模様をじっくり見て聞きます。しばらく時間を置いた後に、グループを囲んでいたメンバーは、議論をしていたメンバーの中に入り、自らが議論を聞いていて考えた意見をぶつけ合います。

iMinds社は、さまざまな組織の専門家を呼び、地元のメディアセクターがどのように見えるかを議論しました。彼らは、短時間で誰もが議論に参加して、アイデアを共有する機会が与えられるように、このフィッシュボウルを採用しています。

8、時限式プレゼンテーション。Pecha Kucha

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Pecha Kuchaというプレゼン手法は日本語の「ペチャクチャ」が由来です。

参加者が6分40秒の時間枠で20枚のスライドショーをプレゼンテーションするセッションです。1枚あたり20秒間で強制的に進んでいきます。時間制限を強いることで、発表者が徹底的に準備し、プレゼンテーションの創造性と、テーマに対する的確さを引き出すことができます。会議のテーマが曖昧な場合でも、アイデアをプレゼンするために使用されます。したがって、どのような業種でも取り入れることが可能です。

ソフトウェア大手オートデスクでCEOの Carl Bass氏は、従業員にPecha Kucha形式でアイデアやソリューションをプレゼンするよう指示しています。ほとんどのプレゼンターは、観客が求める事を考えずに、本来、自分が何を主張したいのかを深く考えるようになるそうです。

9、まるでお見合いパーティ?ラピッドデモ

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これは、カップリングパーティやビジネス交流会に近いスタイルです。違いは、あなたの自己紹介ではなく、あなたのアイデアをプレゼンすることです。話者は部屋の周りに広がりプレゼンします。鐘が鳴るたびに、話者の周りに4人から7人の新しい参加者が集まります。5分ごとに、参加者は新しい話者に移動し、1時間ほど続けます。

10、アイデアを投げつける。ピッチナイト

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「ピッチ」とは「チームが、そのアイデアや想いを短い時間でプレゼンする」ということです。この「ピッチ」という単語が書かれていないイノベーションに関する本は存在しないと言い切れるくらい、いまではメジャーな用語になっています。今では、多くの組織がこの「ピッチナイト」を開始しています。製品やサービスの革新だけでなく、職場の改善に関するアイデアを創出するためにも、「ピッチ」を利用できます。

コカ・コーラは組織の革新を刺激したがっていました。そのため、アトランタの本社で社員76名の社内イベントを開催し、チームを結成してアイデアを出し、経営幹部に「ピッチ」しました。

11、プレーの前に作戦を立てる。ハドル

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「ハドル」という集まりはアメフトに由来し、プレー前の簡単なミーティングです。

戦略を簡単に議論し、お互いを盛り上げ、モチベーションを上げて、途中経過の仲間の成功を祝ったりします。このアプローチは、組織間の協調と助け合いを改善することを目的としています。

この会議では、誰もが立っており、前日の反省、今日の目標、報告、連絡、相談を簡潔に伝えます。(5〜10分程度)。事務所の中で行われ、情報がすばやく交換されるため、コミュニケーションが大幅に向上します。

このミーティング手法は日本企業の多くが実施している朝礼に似ています。しかし、近年は、朝礼が形骸化してしまっているケースも多くあります。そこで、朝礼を見つめなおし、朝礼の効果を最大化しようとする試みが行われています。

社員同士の雑談を奨励している「がんばらない朝礼」、脳科学や心理学を取り入れ社員のモチベーションアップを図る「コーチング型の朝礼」を採用するユニークな企業もあります。

以上が効果的な施策となります。

これを機会に、ミーティングや会議の成果向上のために効果的な価値ある議論が生まれる仕組みを取り入れてみてはいかがでしょうか。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

参考文献

■記事タイトル

15 innovative meeting formats that boost creativity and strengthen engagement

エンジニアの時間を守る ムダ会議撲滅作戦

「人を活かす会社」調査2016 総合ランキング

投資トレンドなんてクソ食らえ: トレンドではないスタートアップのアイデア

How HR Hackathons Can Improve the Employee Experience

朝礼の意味と目的がわかる!「がんばらない朝礼」とは?(裸の社長倶楽部)

コーチング型朝礼とは(朝礼.com)