Empathy -あなたの職場で「共感」足りてますか?-

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「ちょっと、あの人、何考えているか分からない。」
「あいつは、いまいち信用できないかな。」「先輩のことが良く分からないかも。」

一度でも仕事上で、このような気持ちを抱いた方はいないでしょうか?

これらが蓄積され、各個人のストレスになると、やがて組織のコミュニケーションを阻害していく要因になっていきます。

そこで重要となってくるのが、『共感力』を高めることです。

本稿では、英国の社会心理学者Roman Krznaric氏の学説と著書「Empathy: Why It Matters, and How to Get It」を基に、“組織内の共感力を高める方法”についてご紹介していきたいと思います。

職場に必要なのは『共感力』

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「共感」とは「相手の感情を理解して共有する能力」という事であり、企業組織にこそ、その「共感力」は必要不可欠です。

「共感力」がなければ組織内のコミュニケーションがうまくいかず、結果として組織の生産性に影響を与えます。

実際に、複数の研究結果が、職場におけるパフォーマンスの高さと、共感力の強い関係性を示しています。

また、経営層は、一般的な社会人に比べて、共感力を欠いたサイコパスに精神状態が似ているという研究結果があります。高い役職につくほど、新しい階層・価値観の人物に会うことが少なくなり、「共感力」が低下していくことを示しています。

組織に属している者全てがこの能力を高めなければ、組織の進展は望めないのです。

黙って、静かに聴いて、リアクションを返す

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「共感力」を高める具体的に手法の一つが、話を聞く姿勢です。

相手が何を感じているか、何を欲しているかを傾聴し、リアクションを返していきます。

話を遮ってはいけません。聴く事が大切です。あなたが聞く姿勢を示さなければ、相互理解は生まれません。あなたに聞く意思がないのを感じ取ってしまったら、相手は「この人には何を言っても無駄」と感じてしまい、心のシャッターを下ろしてしまいます。

手前味噌ではございますが、聞く姿勢については、拙著「企業のカイゼンに必要なのは、正しいフィードバック術だ」をご覧ください。

また、非暴力的なコミュニケーションを提唱する心理学者Marshall Rosenberg氏は、従業員と雇用者の労働紛争において、両者が単に話し始める前に、相手が言ったことを繰り返すことに合意すれば、紛争解決は50%速くなるとの研究結果を出しています。

例え、相手が述べた事をオウム返しするだけでも、共感力の高まりが期待出来るのです。

知らない人の半生を聴く

30_(4).jpg共感への重大な障壁は、ステレオタイプな認識と偏見(外見、なまり、出自、etc)です。

他人への偏見を拭い去るために、見知らぬ人と少なくとも1週間に1回会話をして、深い話をすることをオススメします。自分とは違う階層、価値観の人の話を聞くことが重要です。

あなたの行きつけの居酒屋やバーなどで、知らない人と、表面的ではない、少しだけ深い話をすることで、外見からは解らないパーソナリティの発見に繋がり、人に対する偏見が少なくなります。

実際に話をしてみると、「大人しそうなOLさんだけど、バイクでツーリングするのが趣味」だとか、「真面目で堅実そうなオジサンだけど、元バックパッカーで世界を旅していた」など、見かけや性別・年齢によって、自分がいかに偏見を人に持っていたかが分かります。

お酒を飲まない人は、カフェでも良いでしょうし、ジムのジャグジーや、プールや銭湯のサウナで、知らない人と、少しだけ深い話をしてみても良いでしょう。

想像の旅に出よう

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他者の視点で物事をとらえる練習をすることで、視野が広がり、「共感力」が高まります。

「相手視点からものごとを考えなければ、他人を本当に理解することができない」という、アメリカ文学者ハーパー・リーの名言にあるように、本を読んで映画を見ることは、「他人の人生を経験してみる」という想像豊かな旅に出る方法です

ジャンルとしておススメなのは、「バディもの・相棒もの」と呼ばれる作品です。階層も価値観も違う二人が理解しあっていく事を描いた作品は沢山存在します。

映画で1本あげるならば、車椅子の白人の大富豪と移民の黒人介護人の2人の友情と相互理解が観られるフランス映画「最強の二人」がオススメです。「共感力」を学ぶに最適な教科書の一つです。

心理テストを取り入れる

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最新の心理学の研究によると、優れたチームワーク、リーダーシップ、創造性を含む共感の恩恵を職場にもたらすためには、EQ(心の知能指数)が高い労働力が必要と言われています。

「共感力」を測定することは困難でしたが、過去20年間の心理学の発達で、視力検査をするように心を検査できるような効果的な方法が開発されています。組織の共感力を高めるには、心理テストを採用してみるのも一手でしょう。

RMETという心理テストは、目から心理を読み取るテストです。このテストを日本語で模擬体験できるページがあったので、雰囲気を掴みたい方はお試しください。テストはこちら

瞑想してみる

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職場での共感力を高めるため、メディテーションプログラムをとりいれる企業は、シリコンバレーにあるスタートアップを初めとした海外企業に多く、日本の企業にも注目され始めています。

「マインドフルネス」や「瞑想」の分野では、「自己認識力」を強化することで「共感力」を高めようとしています。

脳科学的に、この2つの力を司る脳機能が、ちょうど耳の裏あたりにある島皮質という部分だと言われています。ここを「瞑想」することで鍛え、共感力を高めるというメソッドが数多く研究されています。

マインドフルネスに関する書籍は近年数多く出版されているので、共感力向上を目的に、ぜひ一冊手に取ってみてください。

まとめ

「共感力」を高めることで、組織のコミュニケーションが活発になり、パフォーマンスの向上が期待できます。今回紹介した方法は、すぐにでも始められて、しかもお金がほとんどかからない施策が多かったと思います。よろしければ参考になさってみてください。

参考文献

5 Ways to Be More Empathetic(Time)

Is Empathy Boss?(DDI world)

Empathy in the Workplace PDF(center for creative leadership)

Power-crazed bosses are on the rise: Psychologist Oliver James explains why(METRO)

最強の2人」(wikipedia)

なぜ職場に「マインドフルネス」が必要なの(medium.com/@RealLifeYogi) 

【第6回】共感し、相手を思いやる力:共感力(丸の内朝大学)