リーダーは配られたカードで勝負するっきゃない ー頑張れベアーズから学ぶマネジメント

組織マネジメント

「何人かでチームを組んで仕事をしているけど、年齢も違えば前職もバラバラで、それぞれのキャラクターが濃いし、ゴーイングマイ・ウェイな人達ばっかり、組織として機能していなくて困っています。」

そんな職場にお勤めで、さらに、そんなメンバーをまとめなくてはいけない方はいらっしゃいませんか?

組織にまとまりがなく、リーダーとして何をしたら良いのか分からないなら、映画「がんばれベアーズ」を見ましょう。個人と組織とは何なのか?マネジメントとは何なのか、が学べます。

《あらすじ》
アメリカ西海岸にある、とある街。元マイナーリーグのプロ野球選手だったバターカップはアルコール中毒で、仕事はプールの清掃員。ひょんなことから、少年野球のコーチを任せられます。しかし、選手たちは、チョコレートを食べてばかりの肥満児、極度の近眼のピッチャー、ガリ勉の運動音痴、皆に馬鹿にされるいじめられっ子、英語の通じない移民の子など、まったくもってロクなヤツがいません。試合になれば、初回で26失点。しかし、バターカップはその大敗から、逆に奮起してチームの改革に着手します。人材強化のため、豪速球を投げる女の子と、運動神経バツグンの不良の男の子をチームに招くと、ベアーズの快進撃が始まります。しかし、バターカップ監督が「勝ち」にこだわるあまりに、優秀なプレイヤー達を重用しすぎて、チーム内に不協和音がなり始めます。

「がんばれベアーズ」に出てくる野球チームは、弱小でチームがバラバラな組織の典型例です。

監督がスカウトしてくる、天才投手の少女と運動神経抜群の不良少年は、能力の高い「中途採用組」ですが、最初はチームに溶け込む事ができないばかりか、能力の低い他のメンバーを馬鹿にしています。

2人の活躍でチームは勝ち進むのですが、他のメンバーとの軋轢は深まるばかりです。
エリートや優秀な社員ばかりが優遇されて、他のメンバーの不満はつのり、まさにバラバラな組織の典型です。

劇中でチームが直面する問題は、どんな組織にも共通する普遍的なものです。だからこそ、彼らの失敗や成功体験から学びとれる点は多いのです。

ビジョンと目標を掲げろ

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監督であるバターカップは、端的に言えばやる気のないアル中です。

「弱小チームを強くしよう!」などとはもちろん考えません。所詮は少年野球チームなので、給料が出れば、勝っても負けてもどちらでも良いと思っています。

「大会で優勝しよう!」、「個人としてこれくらいの成績を目指そう!」という目標やビジョンがないため、組織は当然成長しません。

組織として、指導者として、個人としての、共通の目標がないため、チームはバラバラで、改善しようにもどこから手を付けていいのかすら分からない状況に陥るのです。

組織と個人の成長には、指針となるビジョンと目標が必要不可欠です。

もしあなたがリーダーを任されたなら、明確で(Smart)、計測出来て(Measurable)、合意が取れていて(Agreed upon)、現実的で(Realistic)、タイムリミットを設けた(Time-sensitive)目標、すなわちSMARTな目標を掲げるように心がけましょう。

評価軸を個人成績から信頼に変えろ

16_(4).jpgバターカップは、あまりにみじめな敗戦を経験して、チームが「勝つこと」を、指導者としての目標と設定します。

そのために彼は、まず戦力強化を画策します。有能なプレイヤーのスカウトに成功して、人材登用による戦力強化は成功の兆しを見せますが、バターカップは「勝利」や「結果」にこだわるあまり、有能なプレイヤーばかりを重用してしまいます。

その結果、チーム内に不満と軋轢が生じ始め、他のメンバーに鬱憤と不満が溜まり、チームプレイに支障が出てきてしまいました。

翻って、物語の終盤、バターカップは戦略を変え、全員が試合に出られるように采配します。

さらに、味方選手の失策を責める選手にはチームプレイを説き、大事な場面では、下手だけど努力家でチーム内の信用が厚い選手をバッターボックスに立たせます。

ここで、チームが初めて結束することが出来たのです。

我々がこのバターカップの行動から学び取れるところは、優秀な人材ばかりを優遇すると、組織内で不安がうまれ、亀裂が入りやすくなってしまうという点だけではありません。

言い方を変えれば、バターカップは、KPIを個人成績から信頼に置き換えた、つまり、評価基準を組織全体の運営の為に設定し直したのです。

たとえチームメンバーの個々の能力が微々たるものでも、彼らの能力が掛け算になれば、プライドの高いエリート達の足し算を超える事も夢ではありません。

リーダーを任されたあなたの責務は、組織全体の成長であることを決して忘れてはいけません。

弱点を強みに変えろ

16_(1).jpgバターカップは、チームが結束すると、背が小さすぎて、まともにバットも振れない万年補欠だった選手を、大事な場面でバッターボックスに立たせます。

彼の背の小ささを生かして、ストライクゾーンを狭くなるように立たせ、連投で制球力が落ちてきたピッチャーから、フォアボールを誘発させて、チャンスを作ります。

このシーンを見たときに、筆者は松下幸之助氏の「成功した3つの理由」を思い出しました。

氏が成功した理由を問われて答えたという、有名なエピソードです。

「貧乏だったから、一生懸命働こうと思い、わずかな給料でも感謝できた。学歴がなかったから他人に素直に教えてもらおうと思った。体が弱かったから人の能力を信じて、人に任せる事ができた。」

この考え方は心理学でリフレーミングと言われています。物事は視点を変えれば見えてくる事が違うという事です。

下記にある3つは、筆者が経験のない、現在の仕事を始めるにあたって、自分の欠点・弱点を、生かすには、どう視点を変えれば良いのかと考えた結果です。

・経験がない⇒臆せずに質問できる。素直に学びとれる。
・そそっかしい⇒行動的・フットワーク軽い。
・融通がきかない⇒粘り強い、芯が強い。信念を持って記事を書ける。

「人生がレモンをくれたら、それでレモネードをつくりなさい」
有名な英文フレーズにある通り、リーダーは、苦境をただの苦境として見るだけでは務まらないのです。

仕事や組織で疲れた時、観たらリフレッシュできる作品

この映画は、組織のマネジメントの学びがあるだけではなく、単にエンターティメント映画としても素晴らしい作品です。あのクエンティン・タランティーノ監督も「無人島に持っていく映画」のひとつとして、この作品を挙げています。職場の人間関係、マネジメントに疲れた時に鑑賞してみてはいかがでしょうか?見た後に爽快感が得られる作品になっています。