トラブルが組織を強くする -壊れたワゴンを押して団結するロードムービー

組織マネジメント

突然ですが、これは、ある映画のあらすじです。

組織として機能していないチームがあります。

トップは戦略やビジョン、自己啓発が大好きで、口癖は
「この世には二種類の人間がいる、勝ち組と負け組だよ。」

成功することがいかに大切であり、負ける事は許されないと説きます。
食事の際にも熱く持論を語るのでチームメンバーは辟易としてします。

ナンバー2である人物は
トップと一緒に組織を作り上げてきた古参メンバーで
トップのイエスマンです。

トップが掲げるビジョンが組織に浸透していないのを理解していますが
具体的な施策はまったくしません。

それどころか、自分の通常業務も適当にこなして
他のメンバーから不満が溜まっています。

中途で入ってきたメンバーは
メンタル面で体調を崩し不本意ながら、この組織に参加しました。
ナンバー2の近親で縁故採用です。こんな組織から早く出ていきたいと思っています。

若手のメンバーは
トップの考え方が受け入れられずコミュニケーションを拒否して
組織から浮いています。やはり、組織から出ていくためスキルアップに勤しみます。

最古参のメンバーは
最年長なのですが1番のトラブルメーカー。
新人を溺愛し、新人を甘やかすことに1日を費やしています。

最近入ってきた新人メンバーは
自己評価が高く、身の丈に合わない不相応なプロジェクトで
結果を残そうとして、組織を巻き込んでいきます。

リトルミスサンシャン

実はこれ、映画「Little Miss Sunshine」のあらすじを、

筆者が経営者視点で書き換えたものなんです。

ちなみに実際のあらすじはこちら:

田舎町アリゾナに住む少女オリーブ。なんともブサイクでおデブちゃん
な彼女が、全米美少女コンテストでひょんなことから地区代表に選ばれ
た。オリーブ一家は黄色のオンボロ車に乗り、決戦の地カリフォルニア
を目指すことに。人生の勝ち組になることだけに没頭する父親、ニーチェ
に倣って信念で沈黙を貫く兄、ゲイで自殺未遂の叔父、ヘロイン吸引が
原因で老人ホームを追い出された不良ジジイ、そしてバラバラ家族をま
とめようと奮闘する母親。そんな落ちこぼれ家族の、奇妙でハートフル
な旅が始まった……!


一見するとただのドタバタロードムービーな訳ですが、少し見方を変え
設定を企業に置き換えると、きっとあなたの会社やお付き合いのある会社でも
目にしたことのある、統率の取れてない組織の典型的な姿が見えてきます。

失敗を恐れず、トラブルを乗り越え、バラバラな組織が一つになる話

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この映画には、ワゴンをみんなで押す印象的なシーンが何度も出てきます。

エンジンスターターが故障したワゴンに乗り込む為に
家族全員で車を押してエンジンをかける場面です。

困難な状況で一致団結して
同じ方向、同じ目的地に向かっていく名シーンです。

幾つかのトラブルの中で、互いに認めあうこと、ビジョンを共有することが大切であることに、改めて気付かせてくれます。

トラブルメイカーが語る、心に残る名言

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一家の問題児のおじいちゃんの印象的なセリフがあります。

パパがことあるごとに「負け組」説を持ち出すので、
オリーブは負けることが怖くなって大会に参加しないと泣き出します。

そこで、おじいちゃんのセリフ

「負け組が何だかわかっているかい?
本当の負け組ってのは、勝てない事を心配して
挑戦しない奴らのことなんだよ。
お前は挑戦しているだろう?
だからお前は負け組じゃないんだ」

勝ち負けにこだわるあまり
一度の失敗で諦める、それどころかチャレンジすらしない。

チャレンジしない、行動しない、思考停止状態になることが
組織や個人にとっての、一番のリスクだと、筆者は考えます。

それ単体のメッセージ性はもちろん、組織を乱す可能性があるから
といって、トラブルメーカー/リスクテイカーを排除してはいけない、

トラブルメーカー/リスクテイカーは組織に推進力を与える存在になりうる、
というメッセージも込められているのではないでしょうか。

この作品は公開年の米アカデミー賞で作品賞を含む4部門にノミネートされ、
最優秀オリジナル脚本賞と最優秀助演男優賞を獲得しました。

エンターテイメントとしても、組織論の学習としても
GWにオススメの映画です。ぜひご覧ください。