業績アップ!今すぐ経営者が「家族の時間」を奨励すべき5つの理由

社内コミュニケーション

最近、多くのメディアが長時間労働の問題やワーク・ライフ・バランスについて報じています。

世界的にも日本人は仕事中毒であると言われて久しいですが、特に最近は仕事のために私生活を犠牲にして精神疾患にかかり、果ては自殺してしまったり、または、福利厚生や待遇の面で優秀な人材が競合他社に転職してしまったりする事例が増えてきています。

このような問題に対し、今回は同僚や部下の「家族の時間」を奨励することで、会社にとってどのようなメリットが生まれるのか、5つのポイントでまとめてみました。

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1.具体的な行動を褒める癖がつく

ボストン大学での研究は、子供を褒める際には、性格や特性を褒めるのではなく、具体的な行動を褒めることが重要であると示しています。具体的な行動を褒めて成長を促すという考えは、子供にだけではなく部下や従業員にも当てはまります。

ただ単に「賢いね」、「頭がいいね」と褒めるのではなく、「2時間でパズルを完成させたなんて賢いね」と具体的な行動を褒めてあげることで、子供達はより高い自尊心を持つようになり、さらに良い行動を自発的にするようになるというのです。

対して、子供の性格や特性を褒めた場合、子供たちは、より困難な出来事に直面した時に、自信と柔軟性が低下するという研究結果が出ています。同様に、部下や従業員に対して「君がいなければ業績アップはなかった」と言えばもちろん喜ぶかもしれませんが、「君のデータ分析による新顧客セグメントの発見なしに、業績アップは成しえなかった」と伝えれば、より効果的だと考えられます。

これらのことから、社員に「家族との時間」を奨励する際には、単に時間を与えるのではなく、「いい親になることで、どのように社会人として成長できるのか」を伝えた上で奨励することが重要であるとわかりますね。

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2.誠実な対応が身につく

上記で述べた「褒める力」の効果を高めるためには、「誠実さ」が必要不可欠です。子育てを通じて、大人より感受性の高い子供と接することで、誠実さが育まれ、社内のコミュニケーションをより豊かに変えることが可能になります。

例えば、あなたがどんなに隠そうとしても、子供は両親の不仲に敏感に反応します。そして、あなたが子供達に伝える事と子供達が感じる現状のギャップは、やがて不信感につながり、親子の関係に悪影響を与えることでしょう。これらのケースにおいては、「子供は知らなくてもいい」と割り切るのではなく、極力オープンに、誠実に子供と接することが重要です。

同様に、「部下に弱いところは見せられない」と、常に気丈に振る舞う上司は確かに頼もしく感じますが、誠実に人間らしい弱さを見せてコミュニケーションをはかる事が、関係性の構築に大きな役割を果たすのです。

また、子供と従業員どちらについても、やたらめったら褒めてしまうと、どんなに熱心な賞賛も不誠実であると受け入れられてしまうことがあります。実際に、従業員が期待している以上の過分な賞賛は混乱を招き、時には侮辱になってしまう事さえあるのです。

オープンで誠実な対応を心掛けることに加えて、ボーナスやインセンティブが、あなたが自立性や責任感を持って欲しい社員のモチベーションを削ぐ要因になってしまう恐れがある事についてもしっかりと理解しましょう。

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3.「言葉と態度で感謝を伝える」癖が身につく

沢山の感謝を伝えることで、子供達は「自分は特別で愛されてる」と感じられるようになります。そして、両親が子供に感謝を伝えるアプローチは、職場でも使える有効な方法です。

NYタイムズのベストセラー「The 5 languages for Appreciation in the Workplace」の筆者は、職場における感謝の伝え方について、①言葉で伝える、②ギフトで伝える、③サービスで伝える、④物理的な感触で伝える、⑤質の高い時間の共有を通じて伝える、という5つの伝え方を挙げています。これらの行動をいきなり職場で実践に移すのは少し気恥ずかしいという人も、子育てを通じて子供を相手に実践することから始めれば、子供が愛を実感できるだけではなく、職場においても良い影響を与えられるという点で、まさに一石二鳥です。

勿論、従業員によってモチベーションが高まる方法は違うという事を理解する事は重要です。それぞれが評価と価値を感じてもらう最適な方法を見つけ出すことに注力しましょう。

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4.採用/研修コストが減少する

フレキシブルな就労体制が従業員の離職防止につながっているという研究結果があります。フレキシブルに働ける人は裁量権に自由が利くことで仕事の満足度が高まり、会社に長く勤続する可能性が高くなると言うのです。

また、長期的に勤続したい願望があっても、子供の世話などで時間的な制約があり、離職せざるをえないケースも少なくありません。そのような人でも、フレキシブルな就労体制が整っている会社であれば働いていけるケースがあります。

子供が生まれる、といった大きなライフイベントの後でも、働きやすい環境を会社が提供することによって競合他社への有能な人材の流出を防ぎ、人材登用費や研修費が削減されるなど、会社にとっても大きな利益をもたらします。

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5.会社の売り上げが上がる

家族と幸せな時間を過ごすように促せば、家族とより多くの時間を過ごしたいと思うようになります。結果として、限られた時間を無駄にしないように生産性があがり、従業員とその家族に利益をもたらすだけではなく、会社自身が恩恵を受けられるようになるのです。

WorkplaceDynamics社の13,000人以上の労働者に対する調査によると、ワークライフバランスのとれた就業環境を企業が整えることで、労働者の生産性の向上が見られました。仕事と生活のバランスが良いと感じている従業員は、そうでない人よりも21%もの生産性向上につながっていると同研究では指摘しています。

「家族との時間」が充実すると、従業員のパフォーマンスも向上し、会社の業績も良くなります。業績に応じて収入も増え、より質の高い「家族の時間」が送れるようになれば、従業員、その家族、そして企業のそれぞれにとって非常に良いサイクルが生まれていくでしょう。

豊かな会社は私生活の豊かさから

予期せぬ育児の緊急事態に備えた柔軟のある対応、雇用分担制度、育児補助金、在宅勤務、アルバイトへの切り替えなど、従業員の家族に優しい制度を採用する企業は業績を向上させています。これを機に、皆さまもチームや企業単位で「家族の時間」について考えを共有する機会につながれば幸いです。

参考文献

INCREASE RETENTION AND REDUCE TURNOVER(Focus on Workplace Flexibility)

What Parenting Teaches Us About Employee Recognition(15Five)

The 5 Languages of Appreciation in the Workplace(Appreciation at Work)

Why Companies Should Focus On Working Parents, Not Just Moms(Forbes)

Work-life balance increases employee satisfaction, productivity(Dayton Daily News)